星祭り
 拝殿のの屋根瓦に十字の紋  福引の景品をいただく


 各人が生まれた年の星、本名星によって禍福が支配されるというインドの古い占星術に由来する。
この本名星と、1年ごとに巡ってくる運命を左右する当年星を供養し祈願をすることによって
禍を免れ、幸を得るというもの。日蓮宗でも、星に願いをかければ、守護があるとされる。
 そもそも、妙見さまと呼び親しまれる妙見菩薩は、北極星の化身である。
満天の星の中心に君臨する北極星である妙見菩薩を尊ぶ人々にとって、2月1日の星祭りは特別な意味を持つのは当然であろう。

 豆まきと福引き


  星祭りの時には、節分(豆まき)も合わせて行われる。年男、年女が豆をまき、還暦や喜寿などの祝い年の人がいれば、お餅をまくこともある。菓子パンや饅頭も配られるので、この日は家族そろってお詣りする人が多い。‘ばあちゃん’にお経の読み方を習う子どもの姿も見られ、微笑ましい。

星祭の日にばあちゃんに経を習う

福引の景品と豆まき    そしてこの日には、もう一つの大きなお楽しみがある。福引である。
 豆まきの際に家庭でまくための豆が入った三角の白い包みが配られる。その包みの中に「三等」「十等」などと書かれた籤(くじ)が入っており、等に応じて趣向を凝らした景品を頂戴する。鍋つかみから電気掃除機に至るまで、日常生活に役立つ物ばかりである。
 ハズレは無く‘福’等を受け取った人は、勝ち虫(とんぼ)模様の手拭いをいただいた。
 三角の袋を開けるときは、毎年のことながら、初詣でおみくじを引く時以上に、どきどきさせられる。
 

矢筈紋(やはずもん)について



 妙見さまにお詣りすると、目につくのが随所に見られる白抜きの十字のマーク。星の形のようにも見てとれる。これは、兵庫県能勢の妙見さまの紋所である。
 今から220年前、西崎一帯(御野郡)が飢饉に見舞われたとき、能勢の妙見さまから勧請した妙見菩薩のご尊像とともに当地にもたらされた思われる。




十字のマークは矢筈紋
 お御籤の入った箪笥  いにしえ御籤(みくじ)

 お一日(ついたち)やお祭りのときに集う通夜堂正面の経机の上に置いてある。
ご参詣の折には、ぜひとも、このお御籤を引くことをお勧めする。
 版木が古いだけでなく文面も古色豊かで難しいが、世話人の一人が手引きを書いている。

 江戸時代のままではないかと思われるおみくじがあります。
変体かなの木製手刷りです。判読しにくい場合は手引きがあります。奉納者の小西屋伊三次は妙見さまの修復をした岡山城の塗り師。    
     (「妙見さまのおはなし」より抜粋)


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