これからの妙見さま
 西崎では樹木には名札をつける。 妙見山登山口と書いた札がある 


 地元の人々は、小さくとも由緒ある妙見さまをたくさんの人々に知ってもらい、お参りしてもらうことを願っている。
公民館で周辺の花マップを作ったり、妙見山や富山城址への散歩コースを整備したりしている。





これからの妙見さま

 日ごろはひっそりとした境内が、年に数回、子どもたちの賑やかな声で満たされることがある。この寺のシンボルともいえる大イチョウが葉を落とし、あたり一面を鮮やかな黄色に埋め尽くすころ、地元の小学校の子どもたちが境内の落ち葉の掃き掃除にやってくる。保育園の子どもたちも先生に連れられて自然との触れ合いを求めてどんぐり拾いにやってくる。
 庭や通りを山箒で掃くことも、バケツいっぱいのどんぐりを拾うこともほとんどなくなった子どもたちに、自然との触れ合いの場を提供している。
 そればかりではない。古い物への畏敬の念をはぐくみ、共同作業の楽しさを知る場ともなっている。
 最近では、どんぐり拾いに来る子供たちのために、町内の有志の方々がどんぐりでやじろべーを作る準備をして待っているという。
 子どものころ、この寺の境内で思いっきり遊んだ人、自分の子どもたちをここで遊ばせ、子育てを終え、さらには、孫を遊ばせている人たちが、学区の子どもたちにも同じような体験をという気持ちでいるからに違いない。
  
子ども達の憩いの場。

古い欄の種類  自然の宝庫

 一歩足を踏みいれると空気が違う、と通りすがりに境内に立ち寄った人々は言う。参道を歩いて鳥居をくぐり、急な石段を上るとなおさらである。
 上の段の左手奥にある小滝については『夏祭り』の項でも述べたが滝はせせらぎとなり、塀沿いに隣家との間を流れる。梅雨の季節となり、町の人々と川の掃除をすれば、蛙、さわがにに出会うのはもちろんのこと、夏ともなれば、お寺の白い壁にヤゴが何匹もぶらさがっていた。残念ながら最近は見かける数が減ったが、オニヤンマのヤゴである。
 夏になっても上の段は比較的涼しい。後ろに妙見山が控えているからだろうか。足元を見ると、無数に小さな穴が開いている。蝉の幼虫の這い出した跡である。近くに育った人たちは夏が来るたびに蝉が羽化する姿を間近に観察し、造化の妙を実感してきたに違いない。その蝉の数も減ってきた。しかし世話人たちのたゆまぬ気配りと努力によってこのような環境が保護され、慈しまれていくことを願っている。

 花待譜(はなまっぷ)と道しるべ

 妙見さまの境内や周辺を歩いていると、木の枝にそれぞれ黒っぽい木の札がぶらさがっていることに気づく。
 まゆみ、ハナミズキ、白南天、ノウゼンカズラ、きんもくせい. . . そうやって木や花の名を覚えてもらい、大切に思う心を育み、ひいては住みよい町づくりの一助になればという願いが籠められている。
 小さな町の情報誌「マイタウン西崎元町」のなかに花待譜(はなまっぷ)というコラムがあり花の情報も知らせている。 
 また、妙見さまの周辺から妙見山、富山城址に行く道には木製の道標が設置されている。今年平成26年の新年号では、亀岩のある妙見山山頂から拝んだ初日の出の写真が掲載されている。
 
 玄関先は花が


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