夏祭り(7月15日)
お滝 子どもとカニ


 境内、上の段の左手奥には、小さなお滝がある。夏祭りには、このお滝の前に立ってお経を上げる。
かつては、この滝の水に打たれて修行をし、通夜堂でお篭りしたこともあったと聞く。


 
 

お滝の前で読経

 妙見さまの大祭のひとつ、夏祭りは毎年7月15日に行われる。
外殿に向かって左には、小さなお滝があり、手前に水と雨の神様である八大龍王さまを祀る祠(ほこら)がある。夏祭りには、そのお滝の前で読経する。
 その昔、農家の人々は、龍王さまに手を合わせ適量の雨を降らせてくださるようにお願いしたのであろう。  
夏祭りのお滝の前での読経 
勢いよく流れるお滝

昔のままの姿をとどめる小滝


 妙見さまの略縁起書である『開運妙見大菩薩略縁起』の終りにお滝の様子を描いたくだりがあるので一部紹介する。

 「殊に幽邃の渓谷より流出せる清水は、懸崖より落ちて小滝となり、一道の流れは苑内を過ぎて日夜流水の響をなし閑稚清涼実に塵世を忘るるの感あり・・・」と古文書に著されている。年を経ること幾星霜・・・今では往時の荘厳なる風情は見られないが渓谷よりの流水懸崖の小滝は今なお往時の姿を留めている。(昭和56年4月)

 さらに30数年の歳月を経た平成の今日も、小滝は涼しげな響を絶やすことなく、その清流は毎年田植えの頃ともなれば用水へ引かれ西崎町内の田んぼを満たすのである。
 平成になって、お滝の水の流れが悪くなった時期があったが、世話人たちのたゆまぬ努力によって、水の響は絶えることはない。
 この地で育った人によれば、半世紀ほど前にはこのお滝で修行をし下の段の通夜堂でお篭りをする人の姿も見られたという。
 今日、お滝で水に打たれる人の姿はないが、時折近所のこどもたちがサワガニを掴まえにやってくる。
 
むかしの夏祭り

 一日の月例祭にそなえ、第4日曜の朝、世話人たちは妙見さまの境内の掃除に集まってくる。
 当所で育った人たちに尋ねてみたら、むかし(60数年前)妙見さまの夏祭りといえば、夜市が立ち、文字を書いた半紙を貼った灯篭が並んでいたという。
 上の段には、ステージが設けられ歌を歌う者がいた。祭りの日にあわせ、近くの関西高校では、映写会が開かれ「あすなろ物語」を見たという話も聞いた。
 
 手洗い場


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