国土交通省 中央地方整備局 苫田ダム管理所


1.苫田ダムの概要
・岡山県東部を流れる吉井川(流域面積約2,110km2)の河口(児島湾)から約90km上流の苫田郡鏡野町(旧奥津町)に平成17年3月に完成し4月より運用
・苫田ダムの規模
かたち(形式) :重力式コンクリートダム
長さ(堤頂長) :225m
高さ :74m(県内第6位)
水の集まる面積(集水面積) :約217km2
貯水池(奥津湖)の広さ :約3.3km2
最大の貯水量(総貯水容量) :8,410万m3(県内第3位)
利用する貯水量(利水容量) :2,810万m3

・苫田ダムの目的
 洪水調節、流量の正常な機能の維持、かんがい用水、上水道用水、工業用水、発電

2.苫田ダムの話題
・苫田ダムは平成17年4月より運用を開始し、2年7ヶ月が経過

(平成17年6月渇水)
・岡山県各地で渇水が発生
・高梁川では取水制限(上工水10%、農水30%)を実施
・旭川では取水制限(上工水10%、農水30%)を決定、降雨により回避
・苫田ダムでは約760万㎥(利水容量の約3割)を放流
・吉井川の平成6年渇水では最大で上工水30%、農水70%の取水制限
・平成6年渇水と平成17年渇水の比較(写真1)

平成6年7月21日撮影 平成17年7月1日撮影

写真1 赤磐市熊山橋より下流を望む
(海苔への緊急放流)
・プランクトンの異常増殖等により栄養塩が減少し海苔の色落ちが発生
・岡山県知事からの緊急放流の要請
・苫田ダム利水者及び吉井川の利水者の理解が得られ緊急放流を実施
・平成18年2月4日~8日の4日間に約230万㎥を追加放流
・平成19年2月16日~20日の4日間に約140万㎥を追加放流
・色落ちが改善される

(陸封アユの確認)
「岡山県水産試験場魚病指導センター」との共同調査
平成19年1月24日に奥津湖で稚魚を採捕
岡山県内初

(奥津湖&奥津渓クリーン大作戦)
奥津湖&奥津渓周辺の清掃を6月~11月に毎月実施
「奥津夢ロマンねっと」主催

3.山と海の交流
 物資輸送が高瀬舟から鉄道・道路へ変わり、川による繋がりが希薄に
『水』は空気と同様に人間に欠くことの出来ないもの
『水』で繋がる輪