大正15年5月 岡山県案内写真帖
11 花莚織成の光景
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花莚織成の光景
◆文字 花莚は一箇年の産額六百五十万円以上に達し本県主要物産の一なり本図
は主産地都窪郡早島町に於ける製莚の光景なり

「花筵織成ノ光景」について
◆説明 花筵とは染色藺草を素材とした模様織物で一般には織込み花筵と呼ぶ。
花筵は明治11(1878)年、磯崎眠亀の錦莞筵織機完成を機に発展した。花筵はほかに藤原丈七らによって考案された綾筵などがある。
花筵は明治26(1893)年には国の輸出10品目にも選ばれるなど重要輸出品として多くの外貨をもたらした。明治末ごろから大正6(1917)年にかけて輸出が低調となり不況になるが、国内市場を得て好況へと転じる。
「1箇年の産額650万円以上」なのは大正13(1924)年である。このころ主な県内産地は都窪郡を1位に、浅口郡、吉備郡と続く。

「花筵織成ノ光景」について
◆参考文献 『早島の歴史4 藺業史編』 早島町史編纂委員会編 早島町 2000
『岡山県統計年報 大正14年〜昭和2年』 岡山県 1927〜1929
『おかやまのい業』 岡山県い業振興協会 2005
『錦莞筵』 倉敷市教育委員会文化財保護課 2002
『磯崎眠亀 花莚の創始者・錦莞筵の発明』 佐藤圭一 1988

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 〔岡山県立図書館メディア工房〕
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