Content of answers
取引先の業況悪化に対しては、常時注意を払っておかなければなりません。取引先に次のような兆候が現れると要注意です。① 設備投資後の売上不振・・企業が倒産する最も多い原因は売上不振です。売上不振が長く続くようであれば、企業はもちこたえられません。特に、設備投資後の売上不振は命取りになります。社屋・工場の新築・拡張、主要設備増設後の売上推移には十分注意が必要です。② 支払条件の悪化・・資金繰りが苦しくなると支払条件を変更します。買掛期間を長くする、現金・手形の比率について手形比率を引き上げる、手形サイトを長くする、先日付小切手を発行する、などです。③ 不良債権・不良在庫の発生・・主要販売先の倒産事故、大口返品、不良在庫の発生、トラブルの発生などは危険信号です。その金額が大きければ大きいほど、当該企業にとって危険な兆候です。④ 生産上のトラブルの発生・・工場における火災や事故などの生産上のトラブルが発生した場合には、それが経営にどのような影響を与えるか的確に把握する必要があります。⑤ 経営環境の悪化・・海外情勢の急変による輸出の停止や減少、円相場の変動による為替差損など、大きな変化には注意を要します。⑥ 悪いうわさ・・業況悪化のうわさが出た場合には、それがどの程度信憑性があるものか、どこから出たうわさなのかを確認しなければなりません。⑦ 取引銀行の変更・・主要取引銀行が変わったり、取引銀行の数が増加したりした場合には、その理由を確かめなければなりません。既往取引銀行が警戒した取引をしているために、取引銀行の変更や増加が行われる場合があります。⑧ 融通手形や高利借入金の利用・・融通手形や高利借入金を一度利用すると、そのまま倒産に至るケースも多いようです。
Library / institute
岡山県産業振興財団