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ワシントン条約とは、絶滅のおそれのある動植物の輸出入等の国際取引を規制し、絶滅から保護することを目的として、1973年にワシントンにおいて採択された条約です。この条約により規制対象となる動植物は、絶滅のおそれの度合いによって、条約の附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲに区分されており、この附属書ごとに輸入規制の内容が定められています。 この条約では、ペットや鑑賞用の生きた動植物以外にも、はく製、コート等衣類、ハンドバッグ、ベルト、靴、細工品、漢方薬も規制対象となるので、注意が必要です。 附属書Ⅰ、Ⅱ、Ⅲの内容は、以下の通りです。 (1)附属書Ⅰ:国際取引の影響下で絶滅のおそれが生じている種は、附属書Ⅰと呼ばれるリストに掲載され、国際商業取引は原則禁止されます。ただし、非商業目的(学術研究等)のための取引は輸出国および輸入国がそれぞれ発行する輸出許可証と輸入許可証を得れば許可されます。 (2)附属書Ⅱ:現在絶滅のおそれはないが、将来そうなりそうな予備軍的な種は附属書Ⅱに掲載されます。取引は許されますが、輸出の際に輸出国政府のワシントン条約管理当局の輸出許可証が必要になります。 (3)附属書Ⅲ:自国の政策上、国際取引を規制してその保全を図りたい種は、それぞれの国が附属書Ⅲに掲載することができます。掲載種の国際取引については、輸出国の輸出許可証が必要です。 ワシントン条約に違反して、野生生物を日本へ持ち込むと、知らずに持ち込んだ場合でも、関税法違反として税関で輸入が差し止められ、輸入品の没収と罰金の支払いを通告されます。拒否すれば検察官へ告発され、刑事裁判になります。 税関でチェックを受けずに持ち込んだ場合の罰則は、5年以下の懲役又は50万円以下の罰金です。さらに、条約違反の輸入は外国為替及び外国貿易法違反ともなり、100万円以下の罰金または1年以下の懲役の罰則が定められています。
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岡山県産業振興財団