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モーツァルトの死亡原因と埋葬について
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『モーツァルト』(西川尚生著 音楽之友社)の「病床、死」という項に、死因については、199ページに「検死結果として記された死因は「急性粟粒疹熱(ぞくりゅうしんねつ) hitziges Friesel Fieber」であったが、これは厳密な病名ではないため、その後現在に至るまで、モーツァルトの死因をめぐる論争がつづくこととなった。」とある。また埋葬については、200ページに「モーツァルトの亡骸は、聖マルクス墓地でこの日か翌日に、四、五体の遺体とともに共同墓地に葬られた」とある。
死因がはっきりしないため、モーツァルトの死について書かれた資料は多くある。以下にその主なものと死因の仮説についてあげた。
『撲殺されたモーツァルト』(ジョルジョ・タボガ著 而立書房)
フランツ・ホフメーデルが妻との仲を嫉妬して棒で殴ったことが原因とする説。
『モーツァルト研究ノート』(海老沢敏著 音楽之友社)
68-125ページにこれまでの伝記の紹介と、毒殺説について解説がされている。
『モーツァルトの死(モーツァルト叢書8)』(カール・ベーア著 音楽之友社)
モーツァルトの死についての医学史的な研究。直接の死因は「病気の結果として急性の心不全、もしくは過度の瀉血による失血過多」としている。
『大音楽家の病歴 1』(ディーター・ケルナー著 音楽之友社)
9-68ページにモーツァルトの病歴について書かれている。死因は水銀中毒だったとする説。
『モーツァルトの毒殺 1,2』(ダンヒョウ,ドゥーダ,ケルナー共著 音楽之友社)
モーツァルトの死因は毒殺だという考察。2の第5章には埋葬と墓地問題について詳しく書かれている。
『モーツァルトは誰に殺されたか』(真木洋三著 読売新聞社)
弟子のジュースマイヤーに毒殺されたという説を物語風に書かれている。
『人間モーツァルト ~天才の病理学~』(ピーター・J・デイヴィース著 JICC出版局)
モーツァルトのライフスタイル、病気、死因などについての考察。毒殺説に対する批判的検証とこれまで考えられたさまざまな病死説を解説し、シューンライン・ヘノッホ症候群(SHS)説を支持。
『モーツァルト最後の年』(H.C.ロビンズ・ランドン著 中央公論社)
モーツァルトの最後の1年について書かれたもので、221-275ページの第11章最後の病気、第12章作り話と毒殺説にモーツァルト死亡についての記述がある。毒殺説を否定しているが、特に死因について著者の結論は書かれていない。
『モーツァルト ~その天才、手紙、妻、死~』(豊田泰著 文芸社)
「モーツァルトの死」195-327ページにこれまでのさまざまな説について記載。
サリエーリ毒殺説、梅毒説、腎疾患説、リウマチ熱と心疾患ないし瀉血致死説、フリーメイスンによる毒殺説等について比較紹介。
『モーツァルト殺人法廷』(ルドルフ・アンガーミュラー著 春秋社)
これまでモーツァルト殺害の疑いをかけられた人物に対して仮装裁判を行い、残された証拠を批判的に検証。
『モーツァルトとベートーヴェン その音楽と病』(小林修三著 医学ジャーナル社)
10-73ページがモーツァルト編。 モーツァルトの病気と死因について医学的に検証。慢性腎臓病からくる心不全で死亡したという説。
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