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防腐効果のある植物について
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①どのような植物に殺菌・抗菌作用があるのか調べる。
『新ジュニアクッキング全集8伝統と郷土の料理』46pの柿の葉寿司の紹介に、「かきやささの葉はかおりがよくて防腐効果があり、また、葉のしおれ方や変色が鮮度の目安になりました。」という記述がある。
『食べてみよう!つみ草・ハーブ・郷土食』4p〈お茶には、すごいパワーがあるってほんと?〉の項で「お茶には高い抗菌性があり…」との記述がある。6p〈日本にも、ハーブがあるの?〉の項では「たでのから味のなかには、殺菌、虫除けの作用があります。」との記述がある。
『日本食の大研究』19p〈わさびとからしは同じからさ?〉の項で「からさの成分には殺菌効果がある」「わさび、ショウガ、大根、しそなどのからさの成分には、ものをくさりにくくする殺菌効果があります。」との記述がある。
『発見!植物の力10スパイス・ハーブ・薬』35p〈スパイスの効果〉の項で、「香辛料は料理に風味を加えるほかに、ふたつのすぐれた効果をあげることができる。ひとつは殺菌、防腐効果である。これは漬け物などの保存食に、よくトウガラシが利用されていることを思い出していただければ納得がいくであろう。」「去臭剤や殺菌作用、防腐剤の役割を担うコショウ等のスパイスはヨーロッパでは不可欠なものだったのである。」との記述がある。
これらから、カキ、ササ、お茶、たで、わさび、ショウガ、大根、しそ、トウガラシ、コショウがあるとわかった。
②それぞれの野菜(植物)について、殺菌・防腐作用について触れられている本を調査する。児童用の資料があったものは以下の通り。
『そだててあそぼう59 ウメの絵本』8p〈4.日の丸弁当、梅干しは万能薬〉の項では「お弁当に1ついれておくとごはんやおかずをくさりにくくする殺菌効果があるんだよ。」とあり、「梅干しにはクエン酸やリンゴ酸が含まれていて」「クエン酸などには、殺菌作用もあるんだ。」との記述がある。また、28-29pの〈14.白梅酢のクエン酸パワー(実験)〉では、「ウメの実にはクエン酸やリンゴ酸などの有機酸がふくまれているけれど、強力なすっぱさのひみつはクエン酸だ。クエン酸には、赤い色素をもっとうつくしくする力や、強い殺菌力があるよ。」との記述がある。また、同ページに〈殺菌力の実験〉で砂糖の入った寒天を二つ用意し、片方には梅干しを乗せ、もう片方にはなにも載せないで置いておくという実験が紹介されている。
『そだててあそぼう 30 カキの絵本』2p〈カキのパワー〉には「カキには殺菌作用や、タンパク質を固める作用などがあるから、下痢止め、便秘の解消といった整腸作用のほか、血止め、しもやけ、やけど、解熱やかぜの薬にもなったんだよ。」との記述がある。また、8-9p〈4.きらわれもののシブに、こんなパワー〉の項で、「じつは、カキしぶには、水をはじいたり、ものをくさりにくくする性質があるんだ。」「カキしぶの正体は、カキタンニンという物質だ。」という記述がある。32pには「タンニンには、コレステロールを少なくして高血圧をふせぐ効果があるし、また、タンパク質凝固作用で虫歯菌やO-157菌を殺菌・抗菌したり、インフルエンザやエイズなどのウイルスもおさえることができるんだ。タンニンの多い渋ガキを傷口にあてると血止めのほか、防腐、解熱効果もあるよ。」とも書いてある。35pには「カキの新しい用途には、ヘビ毒の解毒剤、用水の重金属の吸着浄化剤、ウランの濃縮剤、抗酸化剤、化粧品、機能性食品、クーラーの脱臭剤、シックハウスの回避などがある。」「カキの葉にはビタミンCが多くて、タンニンもふくまれていて、食べものを包んで保存することができるよ。」と書いてある。
『そだててあそぼう 57 ネギの絵本』5p〈2.香りと辛みで食欲もでて、魚や肉と名コンビ〉の項の〈辛み成分と薬効成分〉では、「ネギ類を包丁で切ったりきざんだりして細胞が破壊されると、ネギ類自身が持っている酵素「アリイナーゼ」が働いて、辛みや香り、催涙物質(目を刺激して涙を出させる)、血液をサラサラにする物質、アレルギーを抑える物質など、いろいろなものができるんだ。辛み成分には、ビタミンB1の効き目を高めたり、ばい菌を殺す働きもあるんだよ。」との記述がある。また、32-33p〈ネギについて、もっとくわしい解説。〉の〈香味のもとは、システインスルホキシド類〉の箇所で、辛み成分や香味成分、薬効成分の物質についてくわしい説明がある。その中にも「辛み成分 ビタミンB1を助ける機能や殺菌作用がある」との記述がある。
『そだててあそぼう 44 チャの絵本』では、34-35pの〈チャについて、もっとくわしい解説。〉の項の〈チャにふくまれるおもな成分とそのはたらき〉の〈茶のカテキンのはたらき〉のなかで、「茶のカテキンには、とてもたくさんのはたらきがあるんだ。抗酸化作用、抗菌、抗ウイルス作用、消臭作用、歯の健康維持、血圧の上昇や血液中のコレステロール上昇や血糖値上昇をおさえる作用、抗ガン作用、抗アレルギー作用、さらにアルツハイマー病の予防などだ。身近なところでは、食中毒の原因となる細菌(サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌、黄色ブドウ球菌、病原性大腸菌など)に対する殺菌効果のほか、おそろしい伝染病のコレラ、赤痢やカンピロバクターなどにも殺菌効果があるんだよ。」「また、食事のあとお茶でよく口のなかをすすぐと、虫歯や歯周病の菌を殺すから、その予防にもいいよ。」との記述がある。
『つくってあそぼう 25 茶の絵本』では34-35pの〈お茶について、もっとくわしい解説〉の項の〈お茶には、からだにいい成分がたくさんふくまれている〉のなかで、「カテキン類(タンニン)お茶を飲んだときに「渋み」や「苦み」を感じるけれど、この成分がカテキン類だ。動脈硬化や脳卒中、高血圧などの生活習慣病や、がんの予防に効果があるよ。また、殺菌効果が強いので食中毒や虫歯の予防にもなるんだ。」という記述ある。
『そだててあそぼう 76 ハーブ』では、3p〈1.古くて新しい、くらしに役立つ香りのある植物〉の項に、〈野菜やスパイスとどうちがう?〉という箇所に「乾燥させた香り高い樹皮や実のことで、コショウやシナモン、クローブ、ナツメグなどがスパイスだ。いまでは、調味料として使っているけれど、むかしは肉類を保存するための殺菌・防腐剤として欠かせないものだった。」とある。6-7p〈3.ハーブのあるくらしは楽しい!〉の項では〈薬効のある日本の身近なハーブ〉として、「お赤飯などにナンテンの葉をのせるのは、飾りだけではなく、ナンテンのもつ殺菌作用を考えてのことだ。刺身にシソの花をそえたり、柿の葉ずしや笹ずし、柏もち、桜もちなど、香りのある木々の葉で食べものを包むのも、これらの香りで食欲を刺激したり、殺菌作用で腐りにくくしたりするためなんだ。」という記述がある。32-35p〈ハーブについて、もっとくわしい解説。〉では、〈シソ〉の項に、「シソはビタミンや鉄分をふくみ、防腐や殺菌の作用がある。」、〈パセリ〉の項に、「パセリにはビタミンCのほか、ミネラルや健康維持に有効な成分を多くふくむ。殺菌力もあるので、つけあわせのパセリは残さずに食べること。」と書かれている。これ以外のハーブには、殺菌・抗菌・防腐についての記述はない。
③一般用の資料ではあるが、それぞれの植物について調べることができる図鑑類も紹介する。
『スパイスブック』152p~153p〈薬としてのスパイス〉の項がある。「もともと抗菌作用などが認められ、食品に香りや味を加えるとともに保存にも大いに利用された」「最近の研究では、シナモンに細菌やカビの繁殖を防ぐ作用があることがわかりました。(中略)このような抗菌作用はアニスにもあり、現在ではほどんど咳止めの薬の香料や腹痛の薬に処方されています。また、クローブも防腐作用のあるスパイスで、緩効性の麻酔効果もあるので、昔からホールで噛んだり歯ぐきにすりこんだりして歯痛をやわらげるのに利用されていました。」との記述がある。
『日本の薬草』薬草の具体的な使い方が書いてある図鑑。大きく草木とシダ植物と大木に分けてあり、科名から引くことができる。薬草の写真とともに生育環境や分布場所、薬効と採取・保存方法と使用法が記載されている。
『薬になる植物図鑑』は、成分、使用方法が書かれており、効能からその植物を探すことができる。
『よく効く薬草風呂』は、風呂で使用する目的の本。身近な薬草55種を調べることができる。口に入れることを想定していないため、殺菌や防腐の言葉がよく使われている。その点に注意した上で利用者に提供する。
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