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セグロウミヘビについて知りたい
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『日本の両生爬虫類』には、大きさ、分布・生息・環境、特徴の記載がある。それによると「全長50~80cm 日本近海に広く分布する。外洋性で、国外では太平洋からインド洋にかけて広大な分布域をもつ。 体は側扁し、尾はひれ状となり、泳ぐのに大変適した体型をしている。背面は青みがかった黒色で、腹面は黄色い。尾には波形の模様が入るが、変異は大きい。体色は他のどのウミヘビとも異なる。頭は扁平して細長く、鼻孔は背面に開口する。腹板は非常に小さく退化しており、陸上では思うように動けない。胎生。海流によって漂流することが知られ、北海道沖まで北上するものもいる。遊泳力にすぐれるが、海岸などに誤って打ち上げられると身動きがとれない。出雲地方では、このようにして打ち上げられたものを「龍蛇」として出雲大社に奉納するとともに、民家でも神棚に祀る習慣が残っている」とある。
『日本民俗文化資料集成 20 蛇(ハブ)の民俗』に収録されている上田常一「龍蛇さんのすべて」には出雲地方でセグロウミヘビが竜蛇としてあがめまつられていることついて詳しく書かれている。なぜその蛇が神の使いなのかについては、「日本で古来信仰されてきた神々は、天上から地上へ天降り、ご用を終えられると、地上から天上へ帰られると信じてきた。他方では、神々は海の彼方の常世の国から海を渡ってきたり、また海を渡って彼の国へ帰られると信じてきた。それだから、竜蛇さん(セグロウミヘビ)を、常世の国とか海神国からこられたお使い神と尊重してきたことに無理はない」(p54)にと述べられている。また、セグロウミヘビは、「天地玄黄の相を如実にあらわし、二色蛇(ニシキヘビ)ともいう。」(p93)とある。この天地玄黄とは、『千字文を読み解く』によると、「玄黄とは天の色と地の色がまじり合ったものであり、天の神秘性と大地の永遠性とを称えた言葉である」と説明されている。
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