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「伊達巻き」の名前の由来について

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おせち料理としてお正月に食べる「伊達巻き」の名前の由来が知りたい。参考になる資料はあるか。

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『日本料理由来事典 中』をみると、「伊達巻とは着物の着くずれをふせぐために締める細帯のことで、博多織が有名である。この博多織の模様と、鬼すだれで巻いてついた縞が似ていることからこの名がついた。」
とある。
また、同書には「伊達とは、粋、はでに振るまうなどの意味があり、伊達巻が正月料理など晴れがましい料理に用いられるところからついた名前ともいわれる」とも記されており、複数の説があることが伺える。
いくつか辞典類を確認したところ、複数の由来がみられるようである。
確認すると以下の2つの説がみられた。(※一資料につき、複数の説を掲載している場合もあり)


1). 着物の伊達巻きに由来する
 『日本料理由来事典 中』以外にも複数の資料に由来として記載されていた。

 『たべもの語源辞典』によると、「厚焼卵をうず巻状に巻くこの動作は、婦人が用いる伊達巻という幅の狭い帯を締めることにも似ている。それで、伊達巻という名がついた。」とあり、衣服の伊達巻に由来するようである。(※なお、同書によると、上記の説以外に「伊達は人目をひくはでなこと、粋であること、外見を飾ることといった意味をもっている」と紹介し、「伊達巻き」がこの「伊達」の要素を兼ね備えていることが由来としている。)
また、『日本語源広辞典』には、「着物の着崩れを防ぐために、帯の下にしめる帯」を伊達巻きと呼び、「食品のダテマキ」と「衣料のダテマキ」を「同一言語」と紹介している。

2).「伊達」の言葉に由来する
  『暮らしことば新語源辞典』には伊達巻きが「正月料理など晴れがましい料理に用いられることから「「伊達」な巻き卵の意で名づけられたもの」に由来するとある。
  同じく『新明解語源辞典』においても、「普通の卵焼きよりも華やかなため、「伊達(だて)な卵焼き」の意味で命名したもの」とあり、複数の資料から由来として確認できた。

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岡山県立図書館

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「伊達巻き」の名前の由来について

(ダテマキノナマエノユライニツイテ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

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①川上行藏, 西村元三朗『日本料理由来事典 中(す~わ)』京都 同朋舎出版,1990,555p. 参照はp.100.
②清水桂一『たべもの語源辞典』 東京堂出版,2012,289p. 参照はp.125.
増井金典『日本語源広辞典』京都 ミネルヴァ書房,2012,6,1163,34p. 参照はp.666.
③山口佳紀『暮らしのことば新語源辞典』 講談社,2008,957p. 参照はp.540.
④小松寿雄, 鈴木英夫『新明解語源辞典』 三省堂,2011,1014p. 参照はp.576.

NDC classification
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596:食品.料理

812:語源.意味

383:衣食住の習俗

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