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湯文字・二布の寸法や仕立て方

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湯文字(ゆもじ)・二布(ふたの)について、特に寸法や仕立て方を知りたい

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百科事典等では「腰巻(こしまき)」の項で解説されることが多い。

『やさしいきもの用語小辞典』p.157によると「御殿女中用語、女房詞で、湯具、湯巻きを意味する。かつては男女とも入浴に下帯(褌)をつけていて、女性の下帯を湯文字といった。裾よけに似た形で、丈は膝上くらい。後ろの腰部のラインを気にする必要がないため、かつてはショーツ代わりにつけていた。現在、使う人は少ないが、体型補正のためにショーツの上に用いる人もいる」。なお、『江戸の風呂』p.68によると「もともとの湯文字には、布の端に紐がついていてこれを結んだが、浮世絵には紐もなく、布端を結びあわせただけの図がいくつかある」。

図版は『やさしいきもの用語小辞典』p.157、『大江戸復元図鑑 庶民編』p.227(腰巻(湯文字)をつける様子)で見ることができる。

寸法や仕立て方について、『大江戸復元図鑑 庶民編』p.226では「二布(並幅の二倍)のさらし木綿二枚を縫い合わせて、上部両端に十三センチぐらいの紐をつけ、腰に左前に重ねて締める。だいたい、足首ぐらいまでの長さであるが、すねの下が見えるぐらいに着ける」こともあり、一般的にはさらし木綿を用いたとされる。なお、若い女性は赤い色の絹物、お年寄りは白木綿、粋な中年女性は薄浅葱色や緋ちりめんを好む傾向があったようである。

『新しい和裁教室 上巻』p.12「(二)腰巻と下ばき」では、仕立て方が以下のように詳しく紹介されている。
「(1)出来上り寸法 巾 122cm位 腰囲(92cm)+打合せ(30cm) 丈 85cm位 着丈(127cm)-背丈(37cm)-5cm
(2)地質 晒木綿・天竺木綿・綿ネル等。
(3)仕立方 横布に用い上下はみみのままに、両端を三つ折縫にする。上部に晒木綿の半巾を足すこともあり、上部両端に紐をつけることが多い。」

ほか、遠藤武による論文「近世湯文字蹴出考(小林教授還暦記念史学論叢)」は、歴史・文化面から詳しく解説がされている。

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岡山県立図書館

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湯文字・二布の寸法や仕立て方

(ユモジフタノノスンポウヤシタテカタ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

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家庭画報 編『やさしいきもの用語小辞典』 世界文化社,2011,167p. 参照はp.157.
今野信雄『江戸の風呂』 新潮社,1989,217p. 参照はp.68.
笹間良彦『大江戸復元図鑑 庶民編』 遊子館,2003,385p. 参照はp.226-227.
吉田花美『新しい和裁教室 上巻』大阪 新元社,1955,184p. 参照はp.12.(国立国会図書館デジタルコレクション図書館向けデジタル化資料送信サービスで公開)
遠藤武「近世湯文字蹴出考(小林教授還暦記念史学論叢)」『史苑』11(3/4),1938,p.299-324.(機関リポジトリ等で原文公開)

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近世湯文字蹴出考 (小林教授還暦記念史学論叢) 立教大学学術リポジトリ

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383:衣食住の習俗

593:衣服.裁縫

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