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チョークの歴史と原料

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チョークはいつ頃日本に伝わり日本でつくられるようになったのか。また、チョークの原料と製造方法について、わかりやすく書かれた児童書を見たい。

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・資料①には、「日本にチョークが輸入されたのは、明治六年(一八七三年)のことです。チョークをつくりだしたフランスから輸入されたようです。そして、明治十二年には、国産チョークの第一号が登場しています。このころのチョークは、石こうチョークという種類のチョークです。石こうというのは、白くて、つぶのこまかい、天然の石の一種です。いっぽう、アメリカでは、石こうとはべつの石を原料に、炭カルチョークが開発されました。このチョークは、原料に石灰石を使います。石こうのすくない日本でも、石灰石はたくさん産出されますので、明治の末から大正、昭和にかけて、日本の会社もさかんに研究開発をつづけたようです。現在は、石こうチョーク、炭カルチョークの両方が利用されています。」と記載がある。
 石こうチョークの原料とつくり方は、「焼き石こうの粉と水を合わせて、よくねりあげます。ねった液を型にいれ、すこしかたまった状態でぬきとり、かわかしかます。水には、とけません。」と記載がある。炭カルチョークの原料とつくり方については、「石灰石からとった「炭酸カルシウム」に、のりや薬品をくわえて、ねん土のようにねります。一本ずつの太さに型からおしだし、みじかく切ってかわかします。水にとける性質をもっています。」と記載がある。
 チョークの色については、「白いチョークのほかに、赤、黄、青、緑、むらさき、茶の六色のチョークがあります。白いチョークの色は、天然の石の色ですが、それ以外のチョークの色は、チョークをつくるときに、それぞれの色の顔料をくわえて、つくりだしたものです。」と記載がある。

・資料②には、「チョークがいつごろどんなきっかけで誕生したのかははっきりしていませんが、石こうのチョークはフランスで生まれ、炭酸カルシウムチョークはアメリカで開発されました。明治になって、日本ではフランスの石こうチョークを輸入し、1875(明治8)年には中国の石こうを原料にして国産のチョークをつくりました。学校で黒板がつかわれるようになるとともにチョークの生産ものびました。炭酸カルシウムチョークの国内生産がはじまったのは1935(昭和10)年ごろです。日本には原料になる石灰石が天然資源としてたくさんあったのです。しかし、炭酸カルシウムチョークは、学校ですぐにはうけいれられませんでした。チョークをつかう先生たちが石こうのチョークになれており、また、炭酸カルシウムチョークのほうがねだんが高かったからです。ひろくつかわれるようになったのは1960年代以降です。なかでも、文部省から優良教育用品としてみとめられたことは、大きな力となりました。」と記載がある。
 また、「石こうチョークはやわらかく、炭酸カルシウムチョークはかたくて重いといった特徴があります。石こうチョークは書くときも消すときも粉がたくさんとびちるのでこまっていました。そこで、健康を考えて、体に害のない粉をつかったチョークができました。これが、粉がとびにくい炭酸カルシウムチョークです。いまでは、廃棄物としてすてられる養殖ホタテガイのから(炭酸カルシウム)をつかったチョークも誕生し、発色性がよく書き味もなめらかだとして、ひろくつかわれるようになりました。」と記載がある。
 チョークの形については、「楕円形のチョークは指になじみ、書きやすい。1本で太い字と細い字の書き分けもできる。コロコロころがり落ちることもない。」と記載がある。
 コーティングについては、「コーティング加工がしてあるので、指がよごれない。」と記載がある。
 色については、「蛍光色や、1本にいろいろな色がまじっているマーブルのチョークもある。」と記載がある。

・資料③には、チョークは明治時代のはじめに海外から日本に輸入され、石こうを焼いてつくった国産のチョークが製造されたということ、そして昭和12年にアメリカで使われていた炭酸カルシウムを材料にしたチョークが製造されるようになったということなどが記載されている。
 さらに、「北海道では毎年、身をとったあとのホタテ貝の貝がらがゴミとしてたくさん捨てられているため、リサイクルに取り組んできました。日本理化学工業株式会社の製品ダストレスチョークは、捨てられていた養殖用のホタテの貝がらを細かくくだき、炭酸カルシウムとまぜ合わせて、つくられています。チョークはかたいと、書きにくいだけでなく、黒板をいためてしまいます。なめらかに書けるチョークをつくるために、材料の炭酸カルシウムにホタテの貝がらをまぜる割合の研究を重ねました。その結果、黒板になめらかに書けて、粉が出にくいチョークが完成したのです。福島の石灰岩からとった炭酸カルシウムに、北海道産のホタテの貝がらなどをまぜ、北海道の美唄市と川崎市の工場でつくられ、安全確認の検査をして出荷されます。」と記載がある。

・資料④にも1873年にチョークがフランスから日本へ輸入されたことについて簡単な記載がある。

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チョークの歴史と原料

(チョークノレキシトゲンリョウ)

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①続木湖山[ほか]『書写なんでも百科 9』 岩崎書店,1991,39p. 参照はp.38.
②最新モノの事典編集委員会『最新モノの事典』 鈴木出版,2009,223p. 参照はp.126-127.
③斉藤道子『メイドインどこ? 2』 大月書店,2014,40p. 参照はp.15.
④『21世紀こども百科もののはじまり館』 小学館,2008,223p. 参照はp.8.

NDC classification
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589:その他の雑工業

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