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アレロパシー

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アレロパシーの作用について説明されている児童書が読みたい。

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①には、アレロパシーについて、「植物は動物とちがって、動くことができません。牙や爪のような武器ももっていません。それで、葉を食べにくる昆虫や動物から身を守ったり、自分の陣地を確保したりさらに広げようとして、アレロパシー物質(他感物質)という特殊な物質をわざわざ作っているんだ。動物は生きていくのに必要な物質しか作らないんだけれど、植物は自分に不必要な物質をたくさんふくんでいることがあるんだ。人間にとって薬となる「抗生物質」や「漢方薬」の成分、毒だけれど薬としても使える物質、トウガラシやワサビの辛い成分、コーヒーやお茶にふくまれる目覚まし効果があるカフェイン、ミントなどのハーブにふくまれるよいにおいの成分など、人間の役にたっている植物独自の成分の本当のはたらきはアレロパシー物質であるらしいんだ。」「植物が自分のからだの中で特殊な物質を作り、根や葉や花から放出して、他の植物や微生物、昆虫や動物に、なんらかの影響をあたえる作用を、「アレロパシー」というんだ。他感作用ともいうよ。ほかの植物に対して、その物質で嫌がらせをすることが多いんだけれど、その逆のはたらきをすることもあるんだ。」と記載がある。さらに、「アレロパシーは、植物にとっての生き残り作戦であり、武器なんだ。でも、相手をみんな殺してしまうほど強いわけではない。また、ときには相手の役にたつ物質を出して、なかよく暮らそうとしていることもあるんだよ。一緒に栽培したとき、お互いの生育がよくなる組み合わせもあって、これにもアレロパシー物質が関係していることがあるんだ。アレロパシーは目に見えないので、気がつきにくいけれど、こんなはたらきを、未来の農業にも役立てられるといいね。」と記載されている。

②には、「化学物質を出してなわばりを広げる」として、「セイタカアワダチソウが急速に繁殖したのは、ふえる力が強いことに加え、根から化学物質を出して、ほかの植物の発芽や成長をおさえているからです。植物が化学物質を出して、ほかの植物や動物に作用することを、「アレロパシー」(他感作用)といいます。」と記載されている。
 また、「アレロパシーをもつ植物」として、「ローズマリーやヘアリーベッチ、ソバなどは、ほかの植物の成長をじゃますることで知られる。ヘアリーベッチは、紫色の花をつけるマメ科の植物で、地面をおおって雑草を防ぐため、果樹園の下草に使われる。」と記載されている。
 また、「環境にやさしい農薬」として、「アレロパシーを引きおこす化学物質を取り出して農薬として使おうとする研究や、アレロパシーをもつ植物を農作物といっしょに育てて、農業に役立てる研究がおこなわれています。研究が進めば、合成農薬を使わなくても、農薬と同じ効果が得られるかもしれません。」と記載されている。例として、「バラとユリ、トウモロコシとマメ、トマトとバジルなど、近くに植えるとよく成長する組み合わせがある。これらもアレロパシーによるものと考えられ、研究がおこなわれている。」「全体に毒をもつヒガンバナは、モグラやネズミが穴をほるのを防ぐため、墓地や田んぼのあぜに植えられている。」と記載されている。

③には、「せいたかあわだち草は、根から周囲の植物の成長を妨げたり、もぐらなどの動物を追い払ったりする、化学物質を出す。アレロパシーといって、生存競争に勝つための戦術だ。ところが、長い年月、同じ場所に集まっていると、自分たちが出した毒に自分たちがやられる。最近、せいたかあわだち草の大群落が少なくなったのと、「せいたか」ではなくなってきたのは、人間が駆除したせいでもあるけれど、このアレロパシーのせいでもあるんだ。」と記載されている。

④には、セイタカアワダチソウの項目で「おそろしいアレロパシー作用」として、「湿原など自然の豊かな環境に入ってしまうと、貴重な在来植物の生長をさまたげる物質を出し、一面にひろがってしまう可能性があります(アレロパシー作用)。アレロパシー作用は強力で、いずれはセイタカアワダチソウそのものも弱っていってしまうほどです。」と記載されている。

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アレロパシー

(アレロパシー)

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(オカヤマケンリツトショカン)

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①藤井義晴『植物たちの生き残り大作戦』 新星出版社,2020,175p. 参照はp.170-171.
②『すごい自然図鑑』 PHP研究所,2011,127p. 参照はp.89.
③柳原明彦『調べてなるほど!花のかたち』 保育社,2017,141p. 参照はp.81.
④ネイチャー&サイエンス『外来生物ずかん』 ほるぷ出版,2016,127p. 参照はp.91.

NDC classification
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470:植物学

471:一般植物学

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