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カイガラムシの利用方法
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①『カイガラムシ おもしろ生態とかしこい防ぎ方』
p.47-49に利用方法が出ている。
・コチニールカイガラムシ・・・カルミン酸という赤や紫の色素原料が得られ、食品の着色料、口紅や絵の具、織物の染色、医薬品への利用の例が挙げられている。
・タマカイガラムシの一種・・・カーミンという濃紅色の色素が得られる、とある。
・ラックカイガラムシ・・・雌が分泌する多量の排出物(樹脂状の塊を形成)を集めて分離精製し、シェラックと呼ばれる樹脂とラックダイという染料を取り出す、とある。漢方薬や染料の用途、木工、塗装、紙加工、家具の塗料剤、光沢剤、レコード盤、現在では蛍光灯や電球のガラスと金属部分の接着剤、精密機械の防さび、電気絶縁材、医薬品や食品のコーティング剤などに利用される、とある。
・イボタロウムシ・・・枝につくる蒲の穂のようなロウ(白ロウ、ベーラとも)は日本では襖や障子の戸滑りに利用されてきたこと、高級ロウソクに使われることが書かれている。近年では電子工業用精密機械の型づくりや精密機械の防湿、防さび、木材用ワックス、高級紙のつや出しや化粧品、漢方薬や貼り薬、チョコレートのコーティングなどに利用される、とある。
②『カイガラムシが熱帯林を救う』
・コチニールカイガラムシ・・・p.1-20にこの虫から取れる赤色の色素コチニールが、食品の着色に使われていることが説明されている。その他p.29-31には口紅、塗料、着色料、染料、日本画の絵の具、といった利用方法が出ている。
・タマカイガラムシ・・・p.32に「カーミン」という濃紅色の色素が得られた、とある。
・ラックカイガラムシ・・・p.3にからだの表面から分泌される樹脂状の物質が「ラック」あるいは「シェラック(セラック)」と呼ばれ、ラックからは赤紫の色素が取れ、食品の着色に利用されていること、p.17-18にはラックから色素を取り出した後にワックス分が得られ、菓子類の被膜剤、医薬錠剤のコーティング、食品の光沢剤に用いられることが書かれている。またp.78-80にもワックス分の用途が出ており、ニス(ワニス)、レコード盤、粘・接着剤などが挙げられている。またp.20-22には医薬品として使われた、とある。p.80-83には、岐阜セラック製造所パンフレットから引用したシェラックの用途が載っている。
・イボタロウムシ・・・p.33-34に雄が分泌するワックスが「白蝋」「イボタ蝋」と呼ばれ、ろうそくや蝋紙、障子や襖の滑りをよくする、生糸の光沢付けや器のつや出し、コピー機のトナーやワープロのカセットリボン、ファックスの感光紙などに利用されると書かれている。
③『虫と文明』
・コチニールカイガラムシ・・・p.80に産卵前のメスが赤い染料として使われていたことが書かれており、p.88-89には、現在は合成染料が開発されて需要は減少したが、食品や飲料、薬品の着色などに利用されている、とある。
・タマカイガラムシ・・・p.85にコチニールが使われるようになるまで、赤い染料の供給源だった、とある。
・ラックカイガラムシ・・・p.87にワニスの原料、封蝋の材料、赤い染料になること、p.120-124に「ラック」という分泌物は樹脂と蝋と色素が主成分であること、レコード、深紅の染料、ビーズやボタン、研磨剤、ワニスといった利用方法が書かれている。
①の参考文献のうち当館所蔵の④~⑥にも利用方法が出ている。
④『アジアの昆虫資源』
・イボタロウムシ・・・p.114-115に雄が分泌する蝋の利用方法が出ている。ろうそくや、軍事・電子工業用精密機械の型づくり(鋳造用の蝋型)、精密機械の防湿・密封、絶縁、防錆、潤滑、木材用ワックス、高級紙のつや出し剤、紡績用つや出し剤、高級化粧品の素材、中国伝統の強壮・外用漢方薬、錠剤のつや出し、コーティング、貼り薬の成分、チョコレートのコーティングや健康食品などが出ている。また農業上、接木の切り口に塗ったり、豚飼料の添加剤、科学模型の制作、玩具などの利用法も挙げられている。
・ラックカイガラムシ・・・p.116-119に分泌物であるセラックと呼ばれる樹脂物質の利用方法が出ている。染料、漢方薬、木工・塗装・紙加工、食品用の赤色色素に利用される、とある。分泌物は様々な精製法があり、それぞれの特性を生かして、家具などの仕上げ塗料やラッカー、電気絶縁材として仕上げ用ワニス、モーターコイルの絶縁積層紙、電球のガラスと金属部分の接着剤、印刷インキのバインダー、医薬・食品コーティング剤や包装剤などに使われることが書かれている。
・コチニールカイガラムシ・・・p.121にこの虫が産生する赤色色素コチニールの利用方法が出ている。染料や食品添加物、医薬などに利用され、食品用としてケチャップ、洋酒、キャンデーなど、また口紅や、医薬として疫咳、神経疾患、腎臓疾患に使用される、とある。
また、タマカイガラムシ科のケルメスカイガラムシについても出ており、赤色色素が織物を染めるのに使われたが、コチニールがもたらされたことで幻の色素となった、とある。
⑤『日本原色カイガラムシ図鑑』p.333-334、⑥『昆虫産業』p.40-41には、ラックカイガラムシ、イボタロウムシ、コチニールカイガラムシについて同様の利用方法が出ている。
②の参考文献のうち当館所蔵の⑦~⑪に、ラックカイガラムシの利用方法が出ている。
⑦『熱帯林の保全と非木材林産物』
p.76にラックカイガラムシの体表から分泌され凝固する樹脂状の物質をラック、シェラックというとあり、p.90-93に利用方法が出ている。古代より赤色の染料として利用され、東大寺正倉院北倉に「紫鉱」という名でスティックラックが保存されており、外用薬や宝石類の接着に使われていた、とある。近代ではレコード盤、ニス(ワニス)・ラッカーなどの塗料、シーリング・ワックスが挙げられている。またラックは樹脂分、ワックス分、色素分に分けられるとあり、ワックス分は粘着テープ、塗装用マスキングテープ剥離剤、電気機器用の接着剤・絶縁剤、フルーツワックス、食品のコーティング剤(防湿・つや出し)、フロアーワックス、錠剤用コーティング剤、マニキュア・口紅、ヘアーラッカーなどの化粧品、ガムテープ、セロテープに、色素分は食品着色料に使われていることが書かれている。
⑧『21世紀のアジアを生きる』の「熱帯林とわたしたちの暮らし」p.84-85、⑨『熱帯林の100不思議』p.154-155、⑩『NHKオモシロ学問人生』p.110-111⑪『東南アジアの森林と暮し』p.94にも同様の利用方法が出ている。
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