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人間の指紋と動物の指紋
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①『人体大図鑑』の中で、「指紋とは、表皮に線上に並ぶ出っぱりと溝がつくる模様(皮膚紋理)の一つである。ヒトの場合、手や足の裏全体に皮膚紋理がある。」と記述されている。指紋がもつ機能としては、「一つは、皮膚の摩擦を大きくして、滑り止めの効果を出すことだ。指紋の凹凸に加え、皮膚から分泌される汗が摩擦力を高めるといわれる。もう一つが、皮膚のセンサー(触覚器官)の感度を高めることだ。指紋の凹凸により、ものにふれた際の力がマイスナー小体に集中し、感度が高まることが示されている。また指紋は、物体をなぞるときに皮膚におきる振動をうまく増幅して、パチニ小体に伝えるという報告もある。」と記述されている。ヒト以外にもみられる指紋の例として、コアラとオランウータンの手のひらが、カラー写真で紹介されている。
②『手の百科事典』「17.指紋」の項目で、「表面に皮膚隆線のある皮膚を隆線皮膚と言う。その隆線皮膚上に皮膚隆線が構成している紋様(模様)が皮膚紋様で、これを研究者は皮膚紋理とも言っている。皮膚紋様には、手の平や足の裏の全面にある手掌紋や足底紋、指先の部分にある指紋、あるいは南米のクモザルの尾の腹側にある尾紋などが区別され、終生不変とされている。指紋は霊長類に広く観察できるほか、系統にはあまり関係なく、樹上生活を得意にしている動物でも散見されていて、1997年には、コアラとヒトの指紋を電子顕微鏡で見て比較し、違いがわからなかったとの報告がある。」と記述されている。また、指紋の分類、霊長類の指紋についても解説されている。
③『人とサルの違いがわかる本』の中で、指紋のある動物として、霊長類すべて、オポッサム、クスクス、コアラなどの有袋類、コアリクイやツバイなどの真獣類、リスの仲間、キンカジュー、ハリネズミなどを挙げている。これらは、すべて樹上生活をしたり、木によく登ったりする動物であり、指紋には「枝をつかんだ時に滑らない効果があるのだろう。」と記載されている。
④『サルの子育てヒトの子育て』の中で、霊長類の指にはすべて指紋があり、指紋の山の部分から発汗してしっとりした手のひらになり、滑り止めの機能を果たしていることが記述されている。また、「霊長類の共通祖先において、ものを握り、つまむことができる手足の獲得と樹上生活は深く結びついている」ことについて、記載がある。
⑤『指紋』では、ヒトと霊長類の指紋について詳細に解説されている。
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