川辺宿は山陽道の宿駅で、東側に高梁川が流れている。川辺宿は現在の吉備郡真備町川辺にあった。絵図の中に「領主家臣」という語句が出てくるが、この領主とは伊東氏を指している。伊東氏は岡田藩主であり、何人かの岡田藩士が川辺宿に居住していたことがわかる。絵図をみると、各家の間口・奥行・畳数を書き上げ、宿泊に適さない小家は除いていることから、何らかの理由で川辺宿及びその近辺の宿泊収容人数を把握する必要があったと考えられる。『川辺宿本陣絵図』（ＫＭ３９３／１／２）は本陣の間取りや畳数を記しており，難波惣七の名もみえる。『備中国下道郡川辺宿絵図』の本陣の畳数と『川辺宿本陣絵図』の畳数は完全に一致しており，字体も酷似している。この２枚の絵図は一連のものだと考えられる。

出版年不明

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