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「人件費の抑制」 で業績を向上させる前に注意すべき3つのカギ 【経営関連FAQ0507】

質問内容

会社の業績に関係なく定昇で毎年賃金が自動的に増え、また、そのハネ返りで賞与や退職金、社会保険料、その他の人件費が増えていきます。   そのうえ、年々上がる一方の社会保険料や残業手当の支給もばかになりません。  月例給だけではなく、いわゆる総人件費管理の観点からムダな人件費を抑制するにはどのようにしたらよいのでしょうか。

回答内容

統計データをみると、月例給与の約1.7倍の額が会社負担の人件費となっています。  特に、高齢化社会を迎え人件費(賃金や社会保険料など)の負担増が避けて通れないことを考えると、この総人件費の構造そのものを変える必要があります。  人件費は、会社の付加価値(粗利益)などと関連づけ、労働分配率をひとつの目安〔適正人員(適正要員)・適正人件費の目安〕とします。  いままでのように「月例給与が決まると自動的に人件費が決まる」のではなく、逆に、まず最初に「人件費の総額」を決めます。  そして、その「人件費の総額」をキャップ(上限)にし、自社の賃金政策にもとづいて社員への賃金配分を決めていきます。  もちろんのことですが、基本給や諸手当の整理統合、残業手当や社会保険料の管理なども人件費を抑制するうえでは極めて大切です。  配分方法については、次の3点を押さえておくとよいでしょう。  ①少なくとも管理職は、「年俸制」もしくは「実質的な年俸制」(定昇廃止および上げ下げ自在の賃金)とする  ②一般職(非管理職)は、毎年の昇給を極力抑制しながら、賞与をバッファ(緩衝器)として業績と連動させ、「年収管理方式」にする  ③全社員における共通項として、退職金を経営のコントロール下に置き「生涯賃金管理方式」とする。  ※確定給付型の企業年金などに加入している場合は、運用利回りの低下により5年ごとに掛金がかってに増額され、退職金が経営のコントロール下に置かれているとはいえません。  また、転籍・出向、早期退職優遇制度(希望退職制度)、役職定年制度・役職任期制度などによる組織の新陳代謝や人件費の抑制も同時並行して行うと大きな成果が期待できます。  その他、契約社員・パート・派遣社員・委託社員(請負社員)などの組み合わせによる雇用形態の多様化なども積極的に推進されるとよいでしょう。

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「人件費の抑制」 で業績を向上させる前に注意すべき3つのカギ 【経営関連FAQ0507】

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