回答内容
物流・ロジスティックは、経営戦略にとって重要な課題であり、売上増・原価低減に次ぐ、第3の利潤源と言われています。バブル景気の時代、顧客ニーズへの対応と在庫圧縮のため、ジャスト・イン・タイム(JIT)に代表される「多頻度小口時間指定配送」の高サービス物流が要求されてきました。この結果、高コスト体質を余儀なくされるだけではなく、交通渋滞や排ガスなど環境問題を引き起こす要因にもなっています。また、高サービス物流の結果、「売上は伸びたが、人件費・配送費など物流コストに利益を喰われた」という物流不況という声も聞くようになりました。しかし物流コストを引き下げた結果、「サービスが低下して、お得意先を逃がしてしまった」としないためには、顧客サービス水準を下げないで物流コストを削減するという課題をクリアーしなければなりません。 物流コスト削減の手順は、 ①現状の物流コストを、人件費、配送費、保管費、情報処理費などの側面から把握する、 ②業務フロー分析手法などによって、問題点・課題・ニーズを抽出する、 ③その上で物流コスト目標額を設定し、業務改善案の立案を、 ④物流効率化実施計画、導入計画の作成、 ⑤そして必ずやり遂げるという実行・・・と進めましょう。 また、物流改善のポイントはCHECKSというキーワードで覚えるとよいでしょう。 ①C:直送化(工場や生産地から直送する、配送ルートを短くする)、 ②H:平準化(得意先からの発注曜日を決める、仕入先に計画納品してもらう)、 ③E:円滑化(台車に乗せたまま保管する、ピッキング業務負荷のバランスを変える)、 ④C:調整化(社内の伝票を統一する、コード体系を調整する)、 ⑤K:簡素化(多段階の受注システムをシンプルに変える、配送エリアの見直し)、 ⑥S:集約化(拠点間輸送を大量化する、特別積合せで口数を少なくし運賃を安くする)
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団