回答内容
ご指摘のように、規格の「4.2.3 文書管理」の項に記録は文書の一種であると書かれていますが、文書と記録の間には、概念として明確な相違があります。「文書」とは、物事が何であるか、あるいは物事をどのように行うかを記述したものです。従って、プロセスの改善や状況の変化に伴って、改訂することが必要となります。 これに対して、「記録」は、活動を実施したこと又は活動によって達成した結果を示すものであり、証拠としての性格が強く、後から手を加えることは基本的にはありません。 指図書=文書、検査記録用紙=記録のように単純に振り分けるのではなく、それぞれのものが、それぞれの場面で、どのような役割を果たしているかを見極めたうえで、適切な管理を行うことが必要です。例えば、検査条件や判定基準に関する指示が書かれている検査記録用紙は、この用紙を使用前は、文書として管理する必要があります。検査で使用中は、文書であると共に記録でもあります。記入が終わって検査結果を保管するときは、記録として管理する必要があります。ISO9000では、記録とは、「達成した結果を記述した、又は実施した活動の証拠を提供する文書」と定義しています。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団