回答内容
改訂前の1994年版では、4.7項「顧客支給品の管理」となっていたものが、今回の改訂では、「顧客の所有物」として規定されています。内容的には従来とほぼ同じですが、「供給者が行う検証は、受け入れ可能な製品を支給するという顧客の責任を免除するものでない」という文書がはずれ、参考として、「顧客の所有物については知的所有権も含まれる」が付け加えられています。顧客から注文を受けた製品の製造又はサービスの提供において、組織が使用する材料、機器、文書、ソフトウェアなどの内、顧客から支給されるものはすべて「顧客の所有物」となります。例えば、顧客から支給される材料や部品、生産指図書、計測機器やソフトウェアなどです。写真店が現像のために預かったフィルムやクリーニング店が洗濯のために預かった衣料なども該当します。派遣社員が顧客の会社に出向いて仕事をする場合の作業環境や事務機器、コンサルタントが教育・訓練のために提供される部屋なども、顧客の所有物になります。さらに、手書き原稿を基に版下を作成し、印刷する場合の顧客の手書き原稿や顧客から貸与されたソフトウェアをコピーして製品に組み込む場合のソフトウェアも同様です。顧客の図面や指図書も顧客の所有物になりますが、「顧客の所有物」として管理するか、「文書管理」で管理するかは、それぞれの企業の実体に応じて決めると良いでしょう。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団