回答内容
ご質問にぴったりの本があります。松尾茂樹著『ISOで会社はこんなに変われる』東洋経済新報社(1999年)です。著者は、「ISOで累積赤字が2年間で解消した。経営革新の絶好のツールだ」といっています。前書きでは「ISOを活かすも殺すも、経営者の認識次第だ。そして、企業の経営者に、ISOの本当の魅力を理解してもらうためには、私自身の実体験をもとにして説明するのが最も手っ取り早い。(中略)、私の話を聞いてすぐISOに取り組み、認証取得を受けられた方には、経営者がそれまで漠然と考えていたアイディアを現実のものとするアプローチが備わっているのだ」と書かれています。内容は、第Ⅰ部 導入編、第Ⅱ部 実践編、第Ⅲ部 戦略編からなっており、第Ⅰ部は、間違いだらけのISO観、ISO取得の手順、ISOでわが社が得たもの、品質マニュアルの作成等。第Ⅱ部は、文書化の作業で流れがこう変わる、トップの思考がこう変わる、品質がこう向上する、顧客との関係がこう変わる、定着で経組織がこう変わる、人的資源の活用、社員との関係はこう変わった、ISOに弊害はあるか。第Ⅲ部は、ドメインがこのように明確になる、ISOで経営戦略が決まる、です。後書きでは、「ISOはわが社と私に光をあてた。そして、ほかにも光が当るはずの企業が必ずある。どうか、経営を考えるヒントにしていたたきたい。それが私の切なる願いである」と結ばれています。 ISOは、組織化が遅れている、一旦決めたこともすぐ元に戻ってしまう、人材が育たない、再発不良が多い、といった中小企業にとって、経営者の考え方・活用次第で、飾り物でなく大変に役に立つ経営のツールとなり得るものです。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団