回答内容
誰もが再建は難しいと思っていた日産自動車をV字回復させたカルロス・ゴーン氏の自伝が、『ルネッサンス』ダイヤモンド社(2001年)です。当時の日産自動車の状況を表したものに、燃えるプラットフォームとクロスファンクショナリティの不足があります。これはコインの裏表の関係にあります。社員1人ひとりの仕事の範囲でしか企業をとらえていなかったのです。ゴーン氏は日産自動車の現状を燃えるプラットフォームに譬えたのです。それを企業改革のエネルギーとしたのです。社員に絶えず危機感を与えて、日々改革に取り組んでいる企業と同じです。 日産リバイバルプランの中で注目されている手法が、クロスファンクショナルチーム(CFT)でしょう。多くの部門から社員が参加して、戦略を考えるというものです。ただ、CFTのマネをしてもうまくいかない企業もあります。たぶん目標はカルロス・ゴーン氏が実質的に決めていたのではないでしょうか。CFTはその目標を達成するための戦略を立てたのではなかろうかと思います。優先順位とガイドラインは社長の仕事だと明言するカルロス・ゴーン氏の考え方と一致します。それでCFTが機能していたと考えます。 カルロス・ゴーン氏は新しい言葉を紹介してくれました。コミットメントは自らの意思を持って、目標の達成を約束することであって、服従することではありません。コミュニケートは意思を理解し、その意思を実践することです。ただ上意下達するだけの周知とは異なります。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団