回答内容
事務工程分析、事務フローチャートともよばれる工程分析の手法があり、基本は工場の工程分析表の場合と同じで、JISZ8206に標準化されている4つの記号をもとにしている。(加工:○、運搬:o、貯蔵・滞留:▽・D、検査:□・◇、)これらの記号は作業工程、事務工程の両方に使われるが、事務所での運搬は帳票が中心であり、運搬記号を使わなくても移動を線で表せば足りる。一方事務では複写伝票とか照合・検印とか転記とか事務特有の記号の使い方がある。また、時の流れに重点を置いたり、帳票の関連性に重点を置くなど事務工程分析特有の線の引き方が考案され利用されるようになった。事務工程分析特有の記号を例示すると、帳票:□(長方形)、照合:◇◇、転記:○◎(伝票○から帳簿◎へ)、などがある。事務工程分析の書き方として、書式はいろんな方式があるが、タテ方式では上から下へ時の流れ、事務の発生順に経時的に書いていく、従って線の後戻りがない。上部横方向に関連部課、客先、仕入先の区分を業務上の相互関係のつながりを考慮して配置し、仕事の流れ、情報・帳票の流れを線でつなぐ。転記作業や照合がよく目立つのが事務工程分析の特徴であり、事務改善・合理化のポイントも、転記のムダの防止など重複作業による工程数の削減、所要日数の短縮に着目する。短縮するだけでなく重要な確認・照合や記録・保管がもれなく行われているかにも着目する。一例として、受注から商品出荷までの事務フローを検討する。1)客先より電話で注文を受けて、受注伝票他4枚綴りの伝票を発行する。(1)成型加工受注伝票、営業課に控として保管。(2)成型加工依頼伝票、生産部加工課へ依頼。(3)成型加工納品伝票、営業課が製品出荷時に客先へ提出。(4)受領書、配送係が製品出荷時に納品伝票とともに客先へ提出し、受領印をもらって帰る。2)営業部仕入課、生産部加工課に材料在庫照会を行う。3)材料在庫不足の場合は、仕入課がメーカーに発注手続きをする。4)加工課は成型加工を実施し、包装し検査表を添えて積み付ける。5)加工課は成型加工依頼書を営業課へ返す。営業課は納品伝票に転記し、成型加工依頼書を経理へ、納品伝票を配送係へまわす。6)配送係は製品に納品伝票、受領書を添えて客先へ出荷する。7)営業課は客先の受領印をもらい、受注伝票と照合し経理へまわす。(添付図参照)
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団