回答内容
日程の計画の手法として、ガントチャートがよく用いられてきている。ガントチャートは大まかな計画や簡単な作業には分かりやすく良い方法であるが、各作業の従属関係(先行・後続関係)が表現されないために、次の問題がある。①きめの細かい計画がたてにくい。②計画段階で練り直しがしにくい。③実施段階の状況の変化、変更に対する対処がしにくい。④作業の遅れが全体の計画に及ぼす影響が正確に把握しにくい。⑤仕事の規模が大きくなると、その全貌が把握しにくい。⑥進捗管理上の重点(律速点)がどこにあるかが判断しにくい。この欠点を補い、最適な計画をたて効率よく進捗管理をする方法にPERTの手法がある。各作業を、その従属関係(先行・後続関係)にしたがってネットワークで表した矢線図であり、アローダイヤグラムとも呼ばれる。後詰め方式の日程計画の基本的な考え方と同じく、製造命令に対して、納期までに生産が完了するように、工程の着手と完了の時期を工程の順序に従って計画するが、決定した納期から基準日程に基づいて工程必要日数を逆算してさかのぼり、完了日や着手日を決め、日程計画をたてる考え方が基本になる。重要な着眼点は、複数の仕事の流れが並行して進んでいる場合に、どの仕事と、どの仕事が完了したら次の工程が開始されるのかという従属関係が明確に表示されることである。PERT図法の手順と特徴は、①仕事の相互関係と順序を明らかにする。②日程は個々の仕事を独立的に見積もり、これを積み上げる。③指定納期との調整は、次の段階で検討し短縮手段を工夫する。④仕事にかかる前に日程計画と短縮方法を検討し、事前に問題を解決する。⑤進行中に日程予測がし易い。⑥重点作業がクリティカル・パス(律速工程)として明らかにされる。PERT図法は論理的であり、計画段階に力点をおき、実行段階で発生する問題を事前に検討し防止する点で効果がある。(添付図参照)
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団