回答内容
生産管理の目的は、現状の問題、つまりムダや悪さ加減を見える形にしてとらえ、改善の手を打ち機会損失を最小限にすることにある。管理といえば数値や統計、机上での分析・検討が中心になり、管理者だけの管理になりがちである。これを誰でも分かる管理にするために、目でみる管理が必要となる。生産管理の中ではラインの稼働状況や生産計画数量に対する実績の進捗状況を把握する「生産管理板」や「計画兼実績記録進度グラフ」等が現場でよく使用されている。進捗管理の他に、整理・整頓活動、安全管理の表示、作業標準票、作業指導票などが現場で活用されている。①生産管理板は、その日の生産ラインの稼働状況を表示するもので、生産ラインのすぐ側に置き状況が分かるようにする。時間単位の生産計画数(標準数)およびその累計を表示し、同じ時間帯の実績生産数と累計を対比して記入する。異常が発生した場合はその現象や原因を記入して、改善の着眼点を見出す役割をする。生産管理板は、作業者の生産活動における作業努力と、管理者の改善活動にかける意識の向上につながる。ロットサイズのまとまる繰返し性のある生産やタクトタイムの決まっている生産に適している。結果に対する事後処置ではなく、計画に対する進捗状況が途中段階で把握できれば、それだけ差異原因の究明が早く、対策を立案とアクションが早くなる。1ないし2時間ごとに実績を表示することが、きめ細かな進捗管理の基本である。②見込生産で有効な進度管理方法として、実績記録進度グラフがある。横軸に1ケ月の日程、縦軸に累積生産数を目盛り、計画線としては月末の生産計画数と0点を結んだ直線を引く。日々の実績生産数と累積生産数を折れ線グラフとしてプロットすると、計画に対する達成度が一目でわかる。連続生産的な形態や多品種・少量生産の場合でも製品別の生産能力平均が、ほぼ一定している場合に向いている。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団