回答内容
製造業において、収率向上は利益の増減に直接的な影響があるので、そのための普段の努力が望まれる。収率という表現には、次に列記するような内容にいくつかの異なる要素が含まれているので、内容を分類して現状の調査と分析を綿密に行い、的確な対策をする必要がある。①良品率。製品の性格によっては、製品の品質に応じてクラス分けを行っている。例えば、1級品・2級品とか、Aグレード・Bグレードとか表現はさまざまである。また、スクラップも低価格で販売している場合は、製品として扱わなければならないので最下級のクラスとして製品計上を行っている。このような前提で、[1級品の量]/[全製品の量]×100%が通常良品率と定義される。この算式において分子に、[1級品の量]+[2級品の量]までを入れることもあり、また分母の[全製品の量]からはスクラップの量を除くこともある。②収率。狭義の収率という言葉は、1単位(通常重量表示をする)の製品を製造するために投入を必要とする原材料の単位において、[製品]/[原材料]×100%を意味する。通常は、重量であるとか、面積・長さなどで表示される。複数の原材料が使用される時は、一般的には主要な原材料だけを対象とする。③原単位。収率をより厳密に定義したものであって、製品の1単位を得るために使用される原材料の量である。製品の単位としては、Kg、Ton、㎡、m、台、基、個などが用いられる。これは原材料ごとに計算が可能である。収率の概念より少し離れるが、原材料以外の原価項目にも適用され、電力・スチーム・用水などのユーティリティーであるとか、労務原単位にも適用される。④歩留まりという言葉はほぼ収率と同じ意味で使用される。⑤再加工。製造工程の途中で不良が発生しこれを修正するために前工程へ戻す、再加工とも呼ばれる修正作業がある場合は、これもその経済的損失を数値化しなければならない。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団