回答内容
どのような検査方式を採用しても製品の良・不良は製造ラインの中で決まります。決して測定・検査で品質は良くなりません。品質を工程内でつくりこむとは、「私加工する人、あなた検査する人」の考えでなく、自分の作業する範囲は自分で品質の保証をする考えです。専任の検査員による工程外の検査という仕事は付加価値を生みません。工程外の検査や手直しのための人員が増えれば増えるだけ、工場の付加価値の比率が低下し、原価は上がってしまいます。工程内品質保証をすることは、作業者自身が加工/組み立てしたものを良いかどうか検査して、責任を持って後工程に製品を引き渡すことが作業者の義務になります。標準作業の遵守により全数検査が保証できますが、コストアップにつながってはいけないので、限界ゲージやポカヨケを工夫することにより、工数低減にも努力します。これらのことを通じて、検査を工程内に取り込み、専任の検査員を置かないことと、品質は工程内でつくり込むという考えが成立します。もちろん、作業者自身が「後工程はお客様」として、不良品を渡さないことを強く意識させる教育も大切です。直接作業の工程中でムダを省いても、工数低減をおこなっても、不良品を後工程に流せばこれに伴って検査も手直しも工数が増加することになります。品質は常に源流で管理することが再発防止と効率の良い検査作業につながります。後工程で不良品を発見した場合は、後工程は前工程に速やかに連絡します。連絡を受けた前工程は作業を中止し、直ちに原因の追求をして対策を実施します。不良品の手直しは、不良品を発生させた部署の責任において、その工程の担当者が手直しすることを原則にします。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団