回答内容
1個流しとはロット生産(ダンゴ生産)に対応する言葉であり、生産工程の中で1個または1セット単位で生産していくことです。「必要なモノを必要なだけ必要な時につくる」をすべての工程に徹底させるため、部品の加工・組立工程順に設備を並べ、1個ずつ全工程が停滞なく基準となるタクトで流すことを意味します。言葉では簡単ですが、設備を含めてシステムとして1個流しを確立することはたいへんな努力が必要となります。1個流し生産は、同期生産の考えで後工程引き取りが原則です。つまり、1製品に対して部品1個(1セット)のみ運搬、組立、加工をすることです。設備面では以下の準備が必要です。①工程順に設備を配置する(フローショップ配置)②出口と入口を隣に(U字ライン)③自動機やロボットを作業者範囲から出す③1個(1セット)しか流れない機構をつくる。作業面では、①同期生産②人と機械の分離③主作業と付帯作業の分離(段取り替え、部品供給、工具交換)④目で見る管理などです。システム面では、①定位置・同時スタート②各部品を1台セットで供給③工程内で品質のつくり込み④1個しか流せない仕組み(つくりすぎができない)などです。1個流し確立へのステップとしては、①前段階(5Sの徹底、P-Q分析、教育意識改革)5Sは現場改革の大前提です。職場の整理・整頓を徹底することにより、流れがよく見えるようになり、ムダの発見も簡単になります。②設備改善?小型で単機能な機械(自主保全化)、③シングル段取り化レイアウトの見直し、U字ライン、反時計回り④作業訓練(作業の同期化)⑤1個流しの実施(間頴点の発見、フォロー)となります。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団