回答内容
チョコ停の原因は、「設備が原因で発生するもの」と「製品が原因で発生するもの」に大別されます。現場で実際にチョコ停が発生したとき、いずれが原因かじっくり現場を観察することが大切です。さらに、チョコ停の発生頻度や発生パターンに注目し、チョコ停の原因はいつも同じとは限らないので、発生後の処置をする作業者のチョコ停に対する観察力を高めることも大切なことです。設備の不備に起因するチョコ停の多くは、計画的な設備保全や職場の5Sも含めた日常点検で防止できると思われます。設備が原因となる場合の大部分を占めるのは、設備にワーク(加工・組立て対象となる製品のこと)が接触する部分の「汚れ」が大きいと思われますが、その対応は設備の5Sに負う部分が多いと言えます。一方、ワークの品質状況に左右されるチョコ停は、自工程よりもむしろ前工程における対策がポイントになるので、製品情報を前工程へ確実にフイードバックができる仕組みが必要です。自工程の製品対策としては、全数検査手段を組み込むことにより、不具合品を事前に排除する対策を取ることが考えられます。チョコ停は、一時的な取組みでは撲滅できないので、次のようなソフト及びハード面での仕組みつくりが必要となります。①チョコ停対策を意識して自工程や作業を定期的に観察する。②チョコ停が発生している工程や設備について、チョコ停のために発生したロスの大きさを金額で表現する。③チョコ停の原因を調査して改善案を検討する。④費用対効果を考慮して改善対象を順位付けする。⑤改善計画を立て計画的に取り組む。⑥効果の確認をする。⑦これらのステップを繰り返す。また、関係者は常に意識して工程や作業を観るようにしないと、チョコ停に気づかないこともあります。チョコ停が隠れてしまわないように顕在化させる仕組みとともに、直ちに処置または退治する体制づくりと維持管理を怠ってはなりません。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団