回答内容
ISO9001:2000は、世界に通じる顧客満足向上とシステムの有効性の継続的改善を柱とする品質マネジメントの基本的な定石です。その定石をどのように使うかは、認証取得を目指す組織の状況によります。ISO9001:2000は、業種・業態、規模、製品を問わず、あらゆる組織に適用できるように作られていて、視点を変えれば非常に汎用性が高く具体的でなく解釈が難しい規格ともいえます。この規格に適合した品質マネジメントシステムを構築するためには、自社の仕事を棚卸して調査し、規格の要求を満足しつつ、自社の状況に合うように規格を手直しする必要があります。質問の内容から察すると、大企業用に構築したシステムを40人程度の企業に適用しようとされたのではないかと思われます。企業の製品、企業文化、仕事の進め方、品質管理能力、など組織の実態を踏まえることが重要です。次ぎに重要なことは、品質マネジメントシステムは一部の人で構築するのでなく、実際その仕事に携わって、できたシステムを使って仕事をする人々の参画を得て構築することです。一番大切なことは、ISOの要求に組織をあわすのでなく、自組織の仕事にISOをカスタマイズすることが大切です。また、品質文書はできるだけシンプルな構造を目指す必要があります。なんでもマニュアル→規定→様式いう重構造にせず、様式を工夫して、マニュアル→様式で済ませることを基本にすべきです。様式に従って仕事をすれば、自ずから手順どおりになってマニュアルを満足する文書体系にする。これが、わかりやすく、使いやすい品質マネジメントシステムの構築につながります。現場の声を良く聞き、これを十分反映したシステムにすることが最大のポイントです。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団