回答内容
売上が伸び悩む中での利益確保の方策はやはり、「選択と集中」でしょう。ここで利益の定義をしておきましょう。売上から材料費や現場人件費等の「変動費」を引いたものが「粗利益(売上高総利益)」となります。この粗利益から管理部門の人件費や旅費交通費などの「固定費(販売費及び一般管理費)」を引いたものが「営業利益」となります。ここでは、「粗利益」の確保を中心にお話しましょう。まずは「選択」です。御社の取扱い製品のすべてを対象に「製品単価に対する粗利益の率」と「その粗利益に製品の売上個数(年間)を掛けたもの」を調査してください。簡単に言えば、製品単位の粗利率と製品単位の年間粗利額です。調査が完了したら、粗利率を横軸(X軸)に、年間粗利額を縦軸(Y軸)にして、A製品、B製品、C製品・・・を該当する箇所にプロット(しるしを付ける)してください。そうすると、右上に行けば行くほど、粗利率が高くて、かつ、粗利額が大きい「優等生」となり、左下になればなるほど、そのまったく逆となる「劣等生」です。もうお判りかと思いますが、御社に取っての「優等生」を「選択」し、「劣等生」を切ってください。そして「優等生」に人材、設備、資金を「集中」してください。同じ顧客に対して「優等生」と「劣等生」が混在する場合でも「劣等生」を減らし「優等生」を増やす方向で顧客の設計や営業に積極的に提案する体制を取る検討をしてください。ここで気をつけなくてはならないのはもう一つの軸、「時間軸」です。現在「優等生」でも将来にはどうなるか分かりませんし、その逆もあります。この「時間軸」も考慮に入れて最終的に「選択と集中」するものを決めていくと良いでしょう。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団