回答内容
製造業での火災事故の出火原因は電気機械器具や配線器具などを原因とする電気関係火災事故が圧倒的に高く、次に石油ストーブ、ガス溶・切断機などのガス関係火災事故が続いています。また、工場では危険物類を扱うことが多く、一旦出火すると引火性塗料や溶剤、ガソリンなどが着火物になって火勢が拡大するケースが多くなっています。火災事故により建物損壊など直接的な損害は一般的に火災保険で補償されます。ただし、設備焼失により工場での生産がストップした際の休業損害や代替設備を利用した営業継続費用などは別途保険手配していないと補償されません。製造業は一般的に原材料から完成品まで連鎖しており、仕入先・納入先が罹災した場合、自社の罹災と同様に甚大な損失を被る危険性があります。例えば、仕入先工場で火災事故が発生すれば、自社生産ラインがストップし、納入先も製品供給が受けられないため生産ラインが停止し、収益の減少を余儀なくされることが予想されます。こうした事態を想定して、自社が「なにをどこにどのくらい依存しているのか、また有事の際どのような対策が考えられるのか日ごろから検討しておくことが肝要です。特に納入先へ供給できない期間が長くなればこと取引を他社に切り替えられてしまう可能性もあります。このあたりは高度な保険手配が必要ですが、前段の「リスクコントロール」がしっかりしておれば必ずしも保険手配に頼ることより有効かもしれません。地震発生で甚大な被害が出たことは記憶に新しいところですが、地震による火災事故は一般的な火災保険では補償されないので注意が必要です。別途、地震まで拡張担保された保険に加入しておくことです。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団