回答内容
個人情報が漏えいした場合、顧客に謝罪する際の商品券の額や、裁判で負けた場合の賠償額の相場は目安として、「漏えい一人について500円、損害賠償に発展すれば1万~1万5千円」です。それでは主な漏えい事件の費用算定から、直接的な影響として具体的にどのくらい費用がかかっているかを見てみましょう。 ①自治体の事例:1999年(平成11年)に発生したU市の市民情報の漏えい事件は、22万人の市民情報が漏えいしたが、実際の情報売買の事実はなく、全て回収。訴訟の結果、訴えた人3人に損害賠償額一人15,000円で結審した。 ②民間企業の事例1:人材派遣会社T社で1998年(平成10年)に、9万人の情報が漏えい。この場合は、基本情報以外に電話番号、美人度ランキングなどといった情報もあり、かつインターネットで販売された事例である。回収不能であり、損害賠償額は不明であるが、一人10~30万円と想定される。 ③民間企業の事例2:コンビニエンスストアL社から56万人の顧客情報が漏えいした事例。漏れた情報の内容は不明であるが、回収することは無理であると判断した会社は、全員に謝罪文とともに500円の商品券を送付。対策費用は総額6億円ともいわれる。 ④民間企業の事例3:通信プロバイダーY社では、確認されただけで452万件の加入者個人情報が漏えい。一部インターネットで売買されたが、会社はお詫びとともに加入者全員の590万人に500円相当の金券を送付した。これだけでも対策費用は23億円を超える。総額40億円の支出となった。 ⑤民間企業の事例4:TV通販会社J社の場合、顧客66人分の基本情報、電話番号、カード情報が漏えいしたとされる。社長自身がTVに出演してお詫びするとともに、しばらくは営業自粛をした。営業自粛中の売上げ減少は月数十億円といわれている。
回答館・回答団体
岡山県産業振興財団