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猫と杓子の関係
質問内容
回答内容
『図説ことわざ事典』p.510-511には、「猫も杓子も」の意味が説明されており、語源については「蝶番杓子に似ているからであるからとか、売笑婦と講釈師の意の『寝子も釈氏も』だとするもの、はたまた、神官(禰子)と僧侶(釈子)とするものなど」との記述がある。
『猫の民俗学』p.111-112には、「語源は確かではないが、猫と杓子の俗信には相似た点が多々あって、双方とも客を招き、人の魂を摂取する」「更にいずれも魔除けになる。どちらも盗んで来たものの方が験がある」などと説明されている。
『猫の歴史と奇話』p.29-30には、「猫の死体を三つ叉の道の傍に埋め、その上に杓子を立てる習俗があったというが、その理由ははっきりしない。」「古老の言葉として次のような報告を受けた。『猫は鼠などが台所を荒らすのを防いでくれるので、感謝の意味から、その葬った場所に台所の物(杓子とは限らない)を立てる。」「杓子を用いるのは、猫と杓子を取り合わせた諺と何か関係があるのではないだろうか」と記述されている。
『語源随筆・猫も杓子も』p.15には、「シャクシトリと呼ばれる『主婦』」とあり、「シャクシトリが略されてシャクシとなったとすれば、その意味は『主婦』『おかみさん』ということになり」と説明している。さらに、「『主婦』を意味する言葉には、『家内』『奥様』『お家様』『御新造』などのように、、家や家の中を表現する言葉で表現されている場合が多い」「猫の方も、犬と違って座敷に上がる動物だから、やはり家の中にいることが多い」との共通性から、「『猫も杓子も』が家の中から出てくるというようなことは、ただ事ではなかった。『家内総出で』ということになったのだろう。『誰も彼も』という意味は、『猫も杓子も』で十分に表現できたはずだった。」と説明されている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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