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牙城郭櫓実測図について
質問内容
回答内容
(1)『岡山県大百科事典 上』(1980年,岡山 山陽新聞社)、『岡山城史』(1983年,岡山 岡山市)、『新編吉備叢書 第2巻』(1976年,歴史図書社)の「岡山城誌」を確認するが、「牙城郭櫓実測図」について記載が見つからない。
(2)『岡山城 古式伝える漆黒の烏城』(資料①)には、下記のとおり、「牙城郭櫓実測図」について記載がある。
・「旧岡山藩主池田家に伝来した古文書の一つで、副題として“元小作事棟梁秘書”とある。表題は明治以後に付けられたもので、当初の名称は不明。“牙城(がじょう)”とは本丸の意。奉書紙に墨線を引き彩色を加えた絵図で、現状では一冊の折本に仕立てられている。内容は、岡山城本丸の天守・櫓・城門・供部屋の平面図と姿図。…(中略)…不明門から下の段の東面までの図はほとんどが重複して二枚ずつある。本来は下書きと清書との二様であるべきものを一冊に収めてしまったらしい。建物の図様は正確かつ詳細であり、単なる写生図ではない。まさに建物の実測に基づいた製図であると考えられる。櫓や城門の修理に備えて作成された建築技術者の個人的な控えであるらしく、本来は藩に提出する予定ではなかったようである。」
・「大納戸櫓」、「多門(多聞櫓)」、「伊部櫓」、「数寄方櫓」をはじめ、建造物ごとに「牙城郭櫓実測図」を部分的に掲載し、解説がつけられている。
(3)『池田家文庫等貴重資料展 絵図にみる岡山城』(資料②)には、平成9年10月24日-11月2日に岡山大学附属図書館にて開催された企画展の解説が記載されている。
その中で、「牙城郭櫓実測図」について「岡山城本丸の門・櫓・蔵および天守などの立面図・平面指図を書き上げたもの。城郭の構造を詳しく知ることができるため、軍事機密とされ、藩の小作事方棟梁の手元に秘書として伝えられたのであろう。天守閣最上層の西側に神棚があり、祭神は天御神(あめのみかみ)・武甕槌命(たけみかづちのみこと)・経津主命(ふつぬしのみこと)であったと記されている。」と記載されている。
なお、図の大きさは「26.7×720.4」とあるが、単位は記載されていない。
(4)加藤理文著「連載第17回 古写真で見る名城の原風景 岡山城」(資料③)にも、部分的であるが「牙城郭櫓実測図」が掲載されている。そして、「旧岡山藩主池田家に伝わる“元小作事棟梁秘書”である。奉書紙(ほうしょし)に墨線を引き色彩を加えた図で、本丸内の天守や櫓が克明に描かれている。(以下略)」と記載がある。
(5)岡山大学池田家文庫絵図公開データベースシステムより、「牙城郭櫓実測図」(資料④)を閲覧することができる。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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