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アメリカの教育改革の問題点について
質問内容
回答内容
『偉大なるアメリカ公立学校の死と生』はアメリカで教育政策に関わっていた著者が、関与した教育改革の失敗点を自ら指摘したものである。p117-136ではNCLBについての分析が述べられている。テストによる評価は学校においてテスト対策が最優先事項となり、テストに出ない教科の時間数削減、テスト技術向上のための時間数増加、無理な目標設定を達成するための水増し報告、目標未達成による閉校、チャータースクールへの移行の多発などが生じ、肝心の学力は期待したほど伸びなかったとある。2014年までに全ての生徒が習熟レベルに達することは到底無理であり、NCLBは失敗であったと述べている。
『さまよえるアメリカの教育改革』ではアメリカの教育改革について現状や問題点が解説されている。国家教育目標パネルや2001年初等中等教育法(ESEA)が目指したものとその検証、低迷する高校教育の現状と課題などの問題が取り上げられている。またアメリカでは多様な公立学校制度が用いられており、私企業が運営する公立学校や誰でも設立可能なチャータースクールがあるが、成果が挙がらないことやずさんな運営について指摘されている。
『商品化された教育 先生も生徒も困っている』では、アメリカとイギリスの教育の問題点についての新聞記事が紹介されている。チャータースクールについては、経費削減により突然先生がいなくなったり、学校が閉校してしまったことで、4年間で3校も子どもを転校させることになった記事が紹介されている。チューター(家庭教師)制度では、チューター事業者が強引な勧誘を行い苦情が出たことや、ずさんな運営会社があったこと、教育困難校在籍で実際に利用した者がわずかであったことなどが紹介されている。NCLB法については、成績格差の是正はほとんど進んでおらず、黒人系やヒスパニック系と白人との格差は依然として継続していると紹介されている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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