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ADHDの薬物療法について

質問内容

ADHDに対する薬物療法について知りたい

回答内容

①『「発達障害のわが子」と向き合う本』では,ADHD症状に対してコンサータとストラテラを使用することがある。コンサータは朝服用するとその効果が12時間程度持続するが,3分の1程度の子どもに食欲不振の副作用が現れる。また,ストラテラは1日2回朝食後と夕食後に服用する。1週間ごとに服用量を増やしていき,4週間くらいかけて用量を増やしていく。2~4週間くらいして安定した効果が現れるなど,効果が出るまでに時間がかかるものの,効果が出ると,その効果が1日中安定して得られる。早朝や夕食後から寝るまでの長い時間効果があり,学校だけでなく家庭でも問題が多い場合に使いやすい。食欲不振のような副作用はさほど見られない、との記述がある。
②『大人のAD/HD』では,薬物療法の変遷についての記述がある。その記述によると,2007年10月までは,適用薬はなく,大人も子どもも,医師の判断でリタリンを適用外処方され,服用していた。しかし,リタリンの乱用や依存が問題となり制限がかけられ,2007年からはコンサータが適用薬として承認されリタリンの適用外処方は禁じられるようになった,との記述がある。
③『図解よくわかる大人のADHD〈注意欠陥多動性障害〉』にもほぼ同様の記述がある。「ADHDの代表的な治療薬はコンサータ(一般名:メチルフェニデート塩酸塩)と,ストラテラ(一般名アトモキセチン塩酸塩)です。コンサータは,脳の中枢神経に作用する「中枢神経刺激薬」の一種です。日本では,2007年までADHDの第一選択薬として使われていたリタリンと同じ成分の徐放剤(薬の効き目がゆっくりで,薬効が長時間続くタイプの薬)で,リタリンに替わる第一選択薬となったが,18歳未満への処方に限られていたが,2011年より,18歳未満からコンサータによる薬物治療を始めていた患者であれば,18歳を過ぎても服用を持続することが可能になった」,と記述がある。
④さらに,『大人のADHD臨床』には現在の状況についての記述がある。それによると,2007年にメチルフェニデートの徐放剤(コンサータ),2009年にアトモキセチンがそれぞれ小児(18歳未満)の治療薬として発売された。また,2012年にはアトモキセチンが2013年にはメチルフェニデート徐放剤の適応が成人(18歳以上)に拡大されたとある。

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ADHDの薬物療法について

(エーディーエイチディーノヤクブツリョウホウニツイテ)

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(オカヤマケンリツトショカン)

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①司馬理英子『「発達障害のわが子」と向き合う本』 大和出版,2011,190p. 参照はp.182-183.
②『大人のAD/HD』,講談社,96p. 参照はp.94-95.
③榊原洋一『図解よくわかる大人のADHD〈注意欠陥多動性障害〉』 ナツメ社,2013,143p. 参照はp.60-67.
④中村和彦『大人のADHD臨床』 金子書房,2016,185p. 参照はp.74.

NDC分類
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378:障害児教育

493:内科学

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