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「真金」について
質問内容
回答内容
調査の結果、以下の資料を紹介した。
①によれば「まがね」は真金、真鉄とも書き、古くは「まかね」と読んだ。真金は純粋の黄金。純金。しんきん。真鉄は鉄、くろがね。①では『万葉集』や『古今和歌集』にある「まかねふく」という歌枕も紹介しており、「真金吹く丹生の真朱の色に出て元はなくのみそ我が恋ふらくは」(万葉集14・3560)の「真金」は黄金をさし、「まがねふく吉備の中山帯にせる細谷川の音のさやけさ」(古今和歌集・神遊びの歌・1082)の「まがね」は鉄をさす、としている。
②で「まかねふく」を引くと「真金吹く(まがねふく)」の項に「真金」は鉄、クロガネの意とあり、①と同様の和歌が紹介されていたが、②ではどちらの歌も「真金」はクロガネとしている。
③では「真金」は「金色」の項(p142)に掲載されている。それによると「真金」(しんきん・まがね)別称:純金。純度の高さを言い表したもので『栄花物語』などに記された平安時代の色、とある。③で「クロガネ」を引くと「鉄色」(てついろ)の項(p211)に掲載されている。いずれもカラー見本で色を確認できるが、「真金」と「クロガネ」の関連についての記載はなかった。
④ ③を受けて『栄花物語』を当たったところ巻第17おむがくの10「庭前の有様」に「真金葉は、深き秋の紅葉のごとし」との記載があった。注によれば真金葉は純金の葉。
この他当館所蔵の古語辞典を何冊か当たったが、真金を鉄としているものが多かった。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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