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冬眠中の動物の体が衰えないしくみ
質問内容
回答内容
①では、クマの冬眠の項目で「わたしたちヒトは何も食べないと、筋肉からタンパク質がとりだされて筋肉が弱くなりますが、クマは冬眠中にためたおしっこから筋肉のもとになるタンパク質やアミノ酸をつくりだすため、筋肉が弱くなりません。そして、冬眠中も骨からカルシウムがとけて出る速さと、骨のできる速さがほぼ同じで、骨が弱くなることもありません。」と記載されている。さらに、この冬眠中のクマの動かなくても筋肉や骨が弱くならないしくみが分かれば、「ねたきりの人や、宇宙で長い時間をすごす宇宙飛行士に役立つかもしれません。」と解説されている。
②では、シマリスの冬ごしの項目で「シマリスは半年前後ねむっていても体がおとろえず、病気にもかかりません。シマリスの冬眠の研究によると、冬になると特別なタンパク質が脳の中に集まり、冬眠のスイッチを入れることがわかりました。このタンパク質が冬眠中の体を健康にたもつ働きもしていると考えられ、これを研究することで、私たち人間も病気にかかりにくく、おとろえない体を作ることができるかもしれません。」と記載されている。
③では、②で「特別なタンパク質」と表現されていたシマリスの冬眠をつかさどる物質の解説が詳しく載っている。この物質は、「冬眠特異的タンパク質(HP)」とよばれており、その特徴について「あたたかい時期には、体内時計の命令で肝臓でさかんにHPがつくられ、血液中にたくさん流れています。ところが冬になると、血液の中のHPは減りますが、その一部が脳に移動します。そして脳の中では増えたHPがさかんに作用し、シマリスのからだを冬眠状態へと導くのです。」と解説されている。また、クマの冬眠の項目に「クマのなかまの場合、何か月も冬眠して筋肉を使わずにいても、筋肉がおとろえるということがありません。そのしくみはまだよくわかってはいませんが、もし解明できれば、寝たきりの人の筋肉のおとろえを防ぐために役立てることができると考えられています。」と記載されている。さらに、理由までには言及されていないが、冬眠するほ乳類の研究について「冬眠するほ乳類は、同じくらいの大きさのからだをもつ冬眠しないほ乳類にくらべて、長生きであることが知られています。」「冬眠中のほ乳類は、細菌が引き起こす病気にかからないという実験結果もあります。」と解説されている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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