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バセドウ病の男女差
質問内容
回答内容
当館所蔵資料で「バセドウ病」、「甲状腺疾患」に関連する図書を探したところ、①~③の図書がヒットした。
①には、p.56に「甲状腺疾患全体が、男性よりも女性に多いという特徴があるのですが、バセドウ病も、男性1人に対して女性が4人と、女性患者の方が多くなっています。ただ、男性がバセドウ病になった場合、女性よりも症状が重くなりがちです」と記述があり、p.57にはバセドウ病の男女比と発症年齢の割合を示すグラフが載っている。
②には、p.46-47に「甲状腺の病気全体を見ると、患者さんの男女比は、男性が1に対して女性は6。しかしバセドウ病だけに限って見ると、男性1に対して女性は4。甲状腺の病気の中でバセドウ病は、比較的男性でもなりやすい病気です」という記述と、バセドウ病患者の年齢分布と男女比の割合を示すグラフがあった。また、「バセドウ病の症状1~3」(p.50-57)の項目中、p.57に「周期性四肢マヒ」が挙げられていた。「東洋人の男性に多く、女性は非常にまれですが、甲状腺機能が高いときに、突然に四肢(特に下肢)の筋肉が数時間まったく動かせなくなります。甘いものを過食したあとに出やすく、血液中のカリウムが減るためだと考えられています」と説明があり、男性特有の症状であることがわかる。
③には、p.133の「アジア人男性に特有の発作」の項目に、②と同様の四肢麻痺の解説がある。「日本を含めたアジアの男性に多いのが特徴で、アジア人の女性や白人ではまれにしか起こりません。日本人男性のバセドウ病の方のおおよそ20人に1人が経験します。発作は激しい運動をしたあとや食事、特に甘いものをたくさん食べたあと、飲酒をしたあとなどのゆっくりしているときに起こりやすく、運動中に起こることはまずありません。麻痺の起こる前に筋肉痛を感じる場合もあります」とある。次の「血液中のカリウムが低下」の項目では、「発作のときには血液中のカリウムが筋肉の細胞の中に移動することにより、血液中のカリウム濃度が低下します。このカリウムの移動をきっかけに筋肉細胞の膜の状態が変わってしまい、収縮できなくなるとされています」と発作の状態の説明がある。続く「治療はカリウム補給」の項目では、「発作のときの治療ですが、血液中のカリウム濃度の低下に対して、カリウムの補給を行います。注射でカリウムを補給することは不整脈が起こったり、心臓が止まってしまう危険性があるため、基本的にはカリウム剤を内服します。内服が難しい状態のときは血液中のカリウム濃度に注意しながらゆっくりと点滴で補給することもあります。バセドウ病と診断され、治療が始まったあとのまだ血液中の甲状腺ホルモンが高いあいだは、発作予防のため、激しい運動や飲酒、甘いものなどの炭水化物の過食は避けるようにしてください」と治療方法の記述があった。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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