デジタル岡山大百科 | 岡山県立図書館

牛乳のボタン

質問内容

牛乳から作られているボタンとはどのようなものですか。作り方も知りたい。

回答内容

①『ボタン事典』の「ボタンの素材」の項目を見ると、「プラスチック素材」の「カゼイン樹脂」の箇所に「牛乳からボタンができる、と聞くと不思議に感じますが、カゼイン(casein)とはヒトやウシ、ヒツジなどの乳に含まれるタンパク質で、乾酪素ともいいます。」とある。牛乳に、ウシの胃液に含まれているレンニンという酵素を加え凝固したものをレンネットカゼインと呼び、「ボタンの原料になるカゼイン樹脂は、このレンネットカゼインにホルムアルデヒドを加えて作ります。牛乳からできたカゼイン樹脂は、乳白色の光沢をもち、ウールの風合にもマッチし、加工や着色が容易で、ボタンの実用面から求められる耐衝撃性、耐薬品性などの各条件を全て満たすなど、ボタン素材としてすぐれた特質をもっているのです。」とある。「カゼインボタン」の箇所には原料のカゼインをボタンに加工する方法について記載がある。

②『ボタン938』の「素材のこと」の「PLASTIC プラスティック」の項目を見ると「CASEIN カゼイン」の記載があり、「ミルクに含まれる蛋白質(ミルクプロテイン)を含んだ、優しい質感が特徴の半合成プラスティック。加工がしやすく、1920-40年代に大量のボタンが作られていました。現在でも少量ですが生産が続いています。」とある。カラー写真は1枚あるが、作り方についての記載はない。

③『図解でわかるプラスチック』のcolumn「石油を使わないプラスチック「カゼイン樹脂」」に「1876年に生まれたこの樹脂は、外観から象牙、サンゴまたは真珠の模造品やボタン加工、また羊毛に似た再生繊維の原料に広く使われました」、「樹脂は、牛乳などの乳の主成分である「カゼイン」が原料で、複数のタンパク質を固めた物質です。」、「カゼイン樹脂は発酵前の原料をフェノール樹脂の原料であるホルムアルデヒドを使って固めます。」とある。

④『イチからつくるプラスチック』の「牛乳から、「プラスチック」をつくる?」の箇所には「牛乳と酢やレモン汁からつくることができる「カゼインプラスチック(カゼイン樹脂)」というものがあるそうです。カゼインというのは、牛乳にふくまれているタンパク質のことです。ボタンなどをつくるための素材として利用されているそうです。」と、記載がある。また、カゼインプラスチックの特性についても「カゼインプラスチックは天然のタンパク質が原料なので、自然のなかで分解するという長所ももっています。」とある。牛乳からボタンを手作りする工程も写真つきで掲載されている。ここでは牛乳からカゼインを抽出し、乾燥させるだけで作成している。

回答館・回答団体

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牛乳のボタン

(ギュウニュウノボタン)

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(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
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①阿部和江『ボタン事典』 文園社,1999,219p. 参照はp.112-114.
②小坂直子『ボタン938』 六耀社 ,2005,207p. 参照はp.200
③澤田和弘『図解でわかるプラスチック』 ソフトバンククリエイティブ ,2008,206p. 参照はp.51.
④岩田忠久『イチからつくるプラスチック』 農山漁村文化協会 ,2020,36p. 参照はp.22-23.

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589.28

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