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日本人のノーベル化学賞受賞者
質問内容
回答内容
①「ノーベル賞117年の記録」に、日本人のノーベル化学賞受賞者と受賞理由の掲載がある。
1981年 福井謙一「化学反応過程の理論的研究(フロンティア軌道理論)」
2000年 白川秀樹「導電性高分子の発見と開発(導電性ポリマーの発見)」
2001年 野依良治「キラル触媒による不斉合成反応の研究」
2002年 田中耕一「生体高分子分析のためのソフトレーザー脱離イオン化法の開発」
2008年 下村脩「緑色蛍光タンパク質の発見とその応用」
となっている。
②「ノーベル賞の科学」にはそれぞれの研究テーマについてより詳しい記述がある。
福井謙一の研究については、「フロンティア軌道理論は、化学反応の際、一方の分子がもつ最高エネルギーの軌道(HOMO:最高被占軌道)の電子が、他方の分子がもつ電子の存在しない軌道の内の最低エネルギーの軌道(LUMO:最低空軌道)に入ると予言する。これら2つの軌道がここで言うフロンティア軌道である。」
白川秀樹の研究については、「長年プラスチックは電気を通さないというのが常識とされていたが、白川秀樹は、「ポリアセチレン」と呼ばれるポリマーー多数の分子が鎖状に連なった高分子。プラスチックもそのひとつーが金属のように伝記を通すことを見出した。」
野依良治の研究については、「右手と左手のように、裏返しても向きを変えてもぴたりとは重ならない2つの構造をもつ分子。パスツールは、分子の構造がもつこの非対称こそが生命と非生命の境界だと主張した。だがそれから1世紀の後、日本の科学者野依良治は、このパスツールの原理を破る対称性の高い触媒(BINAP)を開発して片方の分子だけを自在につくる方法を生み出した。」
田中耕一の研究については、「田中耕一とアメリカのジョン・フェン、それにスイスのクルト・ヴュートリヒの共同受賞の理由は「生体高分子の同定および構造解析のための手法の開発に対して」というものであった。その受賞の理由を一言で言うなら、それはたんぱく質の質量を測る新しい手法を開発したということである。」
下村脩については、「下村は、オワンクラゲの発光器官が集中しているクラゲの傘の部分から緑色蛍光たんぱく質(GFP)を分離・抽出することに成功した。」この研究は後に、GFPが外からのエネルギーを受けて蛍光を発するという特性により、生物体内部の組織や細胞の挙動を調べるトレーサーとして役立つことが明らかになる。
と、それぞれ記述がある。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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