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変形性膝関節症

質問内容

変形性膝関節症において、膝に水がたまるのはなぜか。

回答内容

①『よくわかる膝関節の動きとしくみ』には、3章の6「膝関節の水は抜くとクセになる?」に説明がある。
 「水」の正体は関節液であり、普段から膝関節の中に存在し、「主な役割は、膝関節がスムーズに動くための潤滑油になることと、膝関節の軟骨に栄養を送ることです。」とある。
「関節液が関節内に過剰に存在するのが、「水がたまっている」状態」であり、関節液を生産する滑膜が炎症することにより、SOSとして関節液の生産を増加させるとある。

②『ひざ痛のベストアンサー』には、〈水がたまったひざの中〉の絵が掲載されている。「炎症により、滑膜から関節液の分泌が増加。関節包の中に関節液がたまる。膝蓋骨の上部にたまりやすい」とある。
ひざの水をチェックする方法も紹介されている。

③『名医が語る最新・最良の治療 変形性関節症<股関節・膝関節>』には、「変形性膝関節症の特徴」に説明がある。加齢とともに、クッションとしての働きのある関節軟骨がすり減り、骨どうしの摩擦が大きくなり、関節軟骨にも衝撃が加わって、削り取られ、関節軟骨のかけらが滑膜を刺激し、炎症がおこる、とある。すると、関節液が過剰に分泌されるようになり、「関節液の中には、痛みを引きおこす物質が含まれているため、患者さんは痛みを感じるようになる」とある。(p.137)
「痛みがおこるしくみ」に、その様子がわかる絵が掲載されている。(p.139)

④『スーパー図解変形性股関節症・膝関節症』には、「変形性膝関節症とは」の「関節の中で何が起こっているのか」に説明がある。「関節軟骨のかけらの刺激で炎症を起こしている滑膜は、何とか“異物”を除去しようと、リンパ球や白血球を含む関節液を大量に分泌します。このため滑膜での関節液の吸収が間に合わず、関節包内に溜まってしまいます。これが「関節水症」で、いわゆる「膝に水が溜まった」状態です。」とある。(p.106)
絵でも同様の説明がある。(p.107)

⑤『変形性関節症』には、「第一章変形性関節症とはどのような病気か」の「腫れ、膝に溜まる水」に説明がある。関節にある軟骨が摩耗し、軟骨のかけらが刺激となって「滑膜炎」を生じ、関節液の分泌促進が起こること、関節液が関節包内に溜まることが、詳しく解説されている。また、「膝に水が溜まる」という現象は、医学的には関節水腫といい、変形性膝関節症では、通常は一ccにも満たない関節液が、多い場合三〇ccから五〇cc程度溜まることがある、と記載されている。「水が溜まる部分」の図も掲載されている。

回答館・回答団体

岡山県立図書館

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変形性膝関節症

(ヘンケイセイヒザカンセツショウ)

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岡山県立図書館

(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①伊能良紀『よくわかる膝関節の動きとしくみ』 秀和システム,2014,207p. 参照はp.90-91.
②内尾祐司『ひざ痛のベストアンサー』 主婦と生活社,2011,127p. 参照はp.13.
③杉山肇『名医が語る最新・最良の治療 変形性関節症<股関節・膝関節>』 法研,2012,7,227p. 参照はp.136-139.
④柳本繁『スーパー図解変形性股関節症・膝関節症』 法研,2014,159p. 参照はp.106-107.
⑤伊藤宣『変形性関節症』京都 ミネルヴァ書房,2017,9,350,4p. 参照はp.50-52.

NDC分類
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491:基礎医学

494:外科学

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