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ストームグラス
質問内容
回答内容
①ジャパンナレッジ「デジタル大辞泉」
「ストームグラス」を調べると「デジタル大辞泉」に「ある特殊な溶液を密封したガラス管。アルコールに樟脳・硝酸カリウム・塩化アンモニウムなどを溶かした溶液が、気温や気圧の変化によって結晶が成長したり、沈殿物が生じたりする。19世紀頃、ヨーロッパの船乗りに使用された。天気管。気象管。」とある。
②『化学』751号
p.52-55「センセイ必見!!簡単DIYでアッと驚く 魅せて教える科学実験<12>砂時計と樟脳を使ってストームグラスをつくる!! 」には「嵐の接近を予知する道具として19世紀に使われていた一種の天気予報装置で、外界の刺激により結晶の成長の仕方が変わり、それを読み取ることで台風の接近などを知ることができたという。古くは大航海時代から記録が残っており、現在のような天気予報システムがない大昔には一般的に使われた装置のようである。」と記されている。また、「そもそも、ストームグラスは気圧や気温による液体中の結晶の変化を見て天気を占うものだ。しかし、ストームグラスによって天気を予測する原理には、さまざまな説がある。結晶は外界の温度や気圧で微妙に変化する。当然、気温が高ければ結晶は溶けてしまう。気圧差が刺激となって結晶の形に変化が見られるのであれば、嵐を読むことは不可能ではないかもしれない。しかし、本当にそんなこと可能なのだろうか?」とあり、台風が通過した際に著者が観察した様子が記されている。ストームグラスの作り方については、大昔に使われたオリジナルの組成と言われているレシピが紹介されている他、ドラッグストアやホームセンターで入手できるものに限定して作れるようアレンジしたものが写真付きで掲載されている。
③『魅了する科学実験』
p.177-187「19世紀の天気予報!?ストームグラス」の実験が掲載されている。②に掲載されたものに追加・加筆された資料である。
④『CERAMICS JAPAN(セラミックスジャパン);セラミックス 』第52巻第11号
p.743-745「ストームグラス作製による結晶の溶解・析出の理解 -第23回高校課題研究フォーラムで実践-」には「ストームグラス(Storm Glass:天気管)は、19世紀初期にヨーロッパで航海時における天気予報の道具に使われており、溶液中の結晶の状態によって嵐や強風の接近等天気を予測するのに用いられていた。」とあり、天気による結晶の変化についても記されている。「しかし、ストームグラス内の様子が変化する原因は、大気の温度や湿度、気圧等によって溶解度や結晶形状が変化するためと考えられているが、明らかではない。」と、ある。また、「ストームグラスの原料には、溶質として樟脳、硝酸カリウム、塩化アンモニウムが用いられ、溶媒にはエタノールと純水が用いられている。」とあり、溶質原料の性質について記載されている。そして、「ストームグラスでは、温度や圧力等の気候条件によってこのように特徴的な3種類の溶質と2種類の溶媒の性質が相互に関係して結晶の形状に影響を与えるものと推測される。」と述べられている。ストームグラスの作製方法については、教材として活用できるように紹介、解説されている。
⑤『たのしい授業』第36巻第5号
p.10-20「フィッツロイと天気管」には天気管(ストームグラス)について、著者が天気管を登山に持参して結晶の様子を観察し、「天候や気温、気圧は大きく変化したはずなのに天気管に変化はほとんど見られませんでした。」とある。著者が所持しているストームグラスの成分表示によれば「水60%、エタノール30%、樟脳10%」とある。さらに著者による天気管の発明者や歴史についての調査が記載されている。「天気管と気象との関係についての実験的な研究は、1990年ころから発表されています。」として、1990年の神戸商船大学の中本氏、廣井氏ら、1992年のオーストラリアのボールトン氏とラエ氏、2008年の英国レスター大学のミルズ氏、同年の明治大学の田中氏らの研究について言及されている。その結果、「いずれの研究も天気管の結晶生成は温度変化のみに依存することを示し、気象予報と結晶形状の関係性を否定しています。」とある。ストームグラスの作製方法については紹介されていない。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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