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麒麟文
質問内容
回答内容
布地の麒麟文及び使われている着物については、
①吉祥の動物 獅子 の欄に、「蜀江に麒麟 斜子織 名古屋帯」の写真が載っている。
②有職の文様 動物文 の欄に、「「有職の文様」に採用された動物の種類は多くはありません。「鳳凰」や「麒麟」は複合されて天皇専用の文様となりました。また、「鳳凰」と「尾長鳥」との区別は容易ではありませんが、皇族を中心に用いられました。一方、「麒麟」は天皇以外には使用されませんでした。」との記載がある。
また、有職の文様 動物文 桐竹鳳凰麒麟の欄に、「原型が平安時代中期頃まで遡るといわれる「黄櫨染袍」の本来の文様の「桐竹鳳凰麒麟」は鎌倉時代末頃には「筥形文」として定型化しましたが、室町時代末頃には途絶えてしまいました。(中略)古代中国で、皇帝の即位時に「鳳凰」が「梧桐」に集まって「竹」の実を食べたことから、「鳳凰」は「聖天子の出現を待ってこの世に現れる」といわれ、太平の世にのみ姿を現す瑞獣(瑞鳥)のひとつになりました。そして「桐」と「竹」も文様に組み込まれました。また、当初はなかった「麒麟」が鎌倉時代に加わったのは古代中国で「麒麟五霊は王者の喜瑞」とされたからでした。」との記載がある。
「黄櫨染桐竹鳳凰麒麟筥形文綾」「青(緑)地桐竹鳳凰麒麟筥形文(麹塵)」「黄櫨染桐竹鳳凰麒麟筥形文紗」「黄櫨染桐竹鳳凰麒麟筥形文綾」の4つの写真も載っている。
③第1章 わかると楽しい日本の文様77種 麒麟 の欄に、「体は鹿、頭は狼、尾は牛、足は馬で一角をもつ幻獣。雄は麟、牝は麒とよばれます。獣類の長、仁義を重んじる聡明な存在とされ優れた王の治世の時に現れるとされました。そのため、幼いころより秀でた才能を発揮する子どもを、麒麟の出現を期待させるという意味で「麒麟児」とよぶことも。想像上の動物ゆえに胸と腹が蛇腹状のものや、火焔上の翼をもつものなど様々に表現されます。」との記載がある。
また、「麒麟」「麒麟と鳳凰」「麒麟麦酒株式会社のロゴ」の絵も載っている。
④特別企画 宮廷文化のみやび 3 即位式・儀式装束 (1)黄櫨染の御袍 の欄に、「天皇が、平安時代以降ほとんどの祭儀で用いた装束。「黄櫨染」は、蘇芳と櫨または紫根で染められた黄櫨染という黄褐色であるため、この名がある。形式としては公家の正式の服装である束帯で、桐・竹・鳳凰・麒麟の文様を織る。」との記載がある。黄櫨染の御袍を人形が着用した写真も載っている。
⑤明治天皇 明治天皇肖像 の欄に、「明治天皇が召した夏の束帯「黄櫨染御袍」 黄櫨染は天皇だけが着用できる色とされている 文様は桐、竹、鳳凰、麒麟が左右対称に配されて これも天皇の束帯にのみ使う織文様だ」と記載されている。
「黄櫨染御袍」の写真も載っている。
⑥即位礼に見る皇室の装束其の二 の欄に、「令和元年10月22日、午後1時に高御座(たかみくら)のとばりが上げられ、立纓御冠(りゅうえいのおんかんむり)に「御束帯黄櫨染の御袍」をお召しの天皇陛下は、右手に御笏をお持ちになり、繧繝(うんげん)錦の厚畳に敷かれた毯代(たんだい)に御草鞋(おんそうかい)をお脱ぎになり、お立ちになりました。御袍の文様は桐竹鳳凰麒麟文。」との記載がある。
また、「「即位礼正殿の儀」の天皇陛下 「御束帯黄櫨染の御袍」」の写真も載っている。
麒麟がどんな生き物かについては、
⑦【麒麟】の欄に、「①古代、想像上の動物。仁獣。形鹿に類し、尾は牛に蹄は馬に似て、頭上肉に包まれた一角あり、五彩の毛があつて、生草を履まず、生物を食はず、聖人が出て王道が行はるれば現れるといふ。」との記載がある。
麒麟の絵も載っている。
⑧応竜文 の欄に、「応龍は麒麟を生み、麒麟は他のすべての獣類を生むと、中国の古書「淮南子」に記されている。」との記載がある。
また、奇獣文 の欄に、「人類が想像上から継承した獣類は世界各国の民間にある。(中略)日本の麒麟などその一例である。それらのものが姿こそ怪奇であるが、その多くは守護・招福・多幸・降魔・延年・得利・和楽・栄達・破邪というような偉力の持ち主と信じられている。」と記載されている。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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