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動物の味覚
質問内容
回答内容
①では、まず「味を感じるしくみ」として、「舌の表面は、舌乳頭というこまかいつぶでおおわれていて、そのまわりに味らいという味を感じる器官が備わっています。」と説明されている。その上で「動物の味らいの数」として、「ふつう、味らいの数が多い動物ほど、味覚が発達していると考えられています。しかし、ヘビなど、味らいをもたない動物も、嗅覚で味覚のはたらきをおぎなっているといわれています。」と説明し、全身の味らいの数を人(5000~1万)、ウサギ(1万7000)、ウシ(2万5000)、トラザメ(10万)、ヘビ(0)、ニワトリ(20~30)、ネコ(500)、コウモリ(800)と比較した表を掲載している。また、「からだの表面に味らいがある動物」として、「動物のなかには、味を舌以外の部分で感じとっているものがいます。魚の味らいはふつう口にありますが、ナマズやコイなどのように、にごった水の中でくらす魚は、からだ全体に味らいがちらばっています。」と説明し、図も掲載している。
②では、「動物によって味の感じ方がちがう」として、「舌の上には味蕾という部分があって、その中には味を感じる細胞があります。」「ただし、味を感じる細胞はそれぞれ担当する味が決まっています。甘味、塩味、酸味、苦味、そして、昆布に含まれるグルタミン酸や鰹節に含まれるイノシン酸などのうま味を感じられる細胞が決まっているのです。」「細胞ごとに感じる味が決まっているのは、細胞で働く味を感じるたんぱく質が決まっているからです。人間は5つの味を感じるたんぱく質すべてが働いていますが、動物の種類によっては働かないたんぱく質もあって、味の感じ方が違います。」として、うま味を感じられない動物としてジャイアントパンダやアザラシ、アシカを紹介している。
③では、「びっくり、ふしぎ 動物の五感 味覚編」として、ハエの項目では「ハエに限らず、チョウやガの仲間には、いちばん前の足に味感覚子と呼ばれる味覚センサーがついていて、それで味覚を感知できるのです。」、ウシの項目では「ウシは意外に好き嫌いが多く、好んで食べるのはイネ科とマメ科の牧草。これらの草には繊維質が多く、繊維質は、ウシの胃の中の微生物の重要なエネルギー源となっています。」、イカ、タコの項目では「イカやタコの味覚は非常に強く、タコは1つの吸盤に味覚受容器官を約1万個も持っているのです。腕にも200個以上の吸盤を持っていますから、8本腕で約1600万個もの受容器官があるということになります。(中略)「甘い」「酸っぱい」「苦い」を感知できますし、中にはヒトが感知できる濃度の10~1000倍に薄めても味の違いがわかる種類もいるそうです。」、シロナガスクジラの項目では「シロナガスクジラの舌には味を感知する味蕾がほとんどありません。(中略)これはシロナガスクジラが獲物を丸のみする習性から味覚が退化したという説があり、バンドウイルカやトドも同様に味覚が退化したという研究報告があります。」と記載されている。
④では、「味蕾の数を比較すると、ヒトの舌には味蕾が約10000個程度あるのに対して、イヌは1700個ぐらいしかありません。(中略)ネコの味蕾はもっと少なくて、500~800個しかありません。そのためネコの味覚はヒト、イヌよりも鈍感だと思われます。」としている。またアメリカとイギリスの研究グループによって行われた実験の結果として、ネコには甘味を感じる味蕾がなく、甘みを感じないと記載しており、ネコの舌の味蕾分布も掲載している。また、ヒトの舌の味蕾の分布やヒト、イヌ、ネコの味蕾の数を比較したグラフも掲載している。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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