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有水晶体眼内レンズ手術
質問内容
回答内容
①『近視矯正手術の最前線』
p.179-185 福山会里子氏による特別寄稿『有水晶体眼内レンズ(Phakic IOL)』の掲載があり、屈折矯正の一つの方法として紹介されている。
レンズの種類は大きく分けて前房レンズと後房レンズの2種類がある。前房レンズでは、虹彩にレンズをクリッピングする虹彩支持型と隅角(虹彩の根部と角膜の間の部分)に眼内レンズの突起している部分を挿入して固定するタイプの隅角支持型が紹介されている。後房レンズは虹彩の後ろで水晶体の前の部分に挿入して、毛様溝に固定すると紹介されている。また、術後成績についても言及されている。
②『正しく理解して選ぶ視力矯正治療』
p.128-138 快適で安全性が高い眼内レンズとして「フェイキックIOL」という眼内レンズが紹介されている。フェイキックとは、英語で「水晶体を残したまま」という意味で、IOLとは「イントラオキュラー(眼内の)レンズ」の略であり、フェイキックIOLの事を日本では「有水晶体眼内レンズ」と呼ぶことが説明されている。
フェイキックIOLには前房型レンズと後房型レンズの2種類があり、前房型は角膜と虹彩の間にレンズを入れ、後房型は虹彩と水晶体の間にレンズを入れると説明があり、前房型は、長期的には角膜内皮細胞に影響が及ぶことが分かってきて、現在は後房型が主流であると書かれている。また、メリットも6つ挙げられている。
p.160-182に事前検査と度数・サイズ決め、レンズの種類、手術の流れと手術後のケアについて説明されている。
③『目は治ります。 名医が教える驚きの最新治療』
p.133-140 近視を矯正するレンズは水晶体を取り出さない「有水晶体眼内レンズ」と呼ばれ、「フェイキックIOL」が紹介されている。前房型と後房型の2種類のレンズについて、レンズの形や性能、いつからどこで使用されたかの説明が書かれている。
④『世界最高医が教える目がよくなる32の方法』
p.133-136 有水晶体眼内レンズによる屈折矯正手術について触れられている。虹彩でレンズを固定する硬いレンズのアルチザンレンズと、光学部がシリコン製の柔らかいアルチフレックスレンズが紹介されているが、柔らかいアルチフレックスレンズは10年を過ぎた頃より角膜内皮細胞障害が起きたと書いている。著者は、そのため順次アルチフレックスレンズの摘出手術を行い、希望者は白内障手術と多焦点眼内レンズ移植術を施行したと書いている。
後房型有水晶体眼内レンズについては、虹彩の後ろで水晶体との間に入れる有水晶体眼内レンズをICL(Implantable Collamer Lens)といい、1997年頃よりスイスで使われるようになったと説明している。「このICLの良さは、取り出すのが簡単であり、角膜に3ミリの切開だけで済むことです。」とあり、合併症もほぼ起きなくなったと書いている。
⑤『屈折異常とその矯正 改訂第6版 』
p.301-302 有水晶体眼内レンズphakic intraocular lens(phakic IOL)の項があり、「有水晶体の強度近視眼にマイナス度数の眼内レンズを挿入する方法である。前房レンズと後房レンズとがある。」とあり、それぞれいくつかの代表的なレンズ名が挙げられている。「前房レンズと後房レンズでは一長一短があるが、角膜内皮細胞への影響が少ないことや、たとえ白内障になっても多焦点IOLの登場である程度対処できることから後房レンズに有意性があるとの報告がある。」との記述がある。
また、前房レンズ(虹彩支持型)と後房レンズを、目のどの場所に入れるのかを示した図がある。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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