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予言する妖怪
質問内容
回答内容
まず、①『予言の日本史』によると、「江戸時代に、「予言獣」なるものが出現したことがあった。予言獣ということばは最近の学術用語で、当時は、「神社姫」、「姫魚」、「件」、「アマビコ」などと呼ばれていた。これらの予言獣は、豊作や疫病の流行などを予言し、災厄についてはそれをいかにして取り除くかを教えた後に消え去っていく」とある。「竜宮から豊作と「ころり」の流行を告げにきた姫魚」、「人の顔に牛のからだをもつ予言獣・件」について詳しく解説がされている。
②『妖怪文化研究の最前線』には、予言獣の研究について解説がなされている。予言獣としては、アマビコのほか、神社姫、人獣・どだく・クダベ、灵鳥が挙げられている。
③『日本怪異妖怪大事典』のあまびこの項目には、「予言する怪異。近世後期から近代初頭にかけてかわら版や護符として流行した。かわら版には、天彦が現れ、災厄の予言とその回避策として自身の絵姿を貼り置くよう告げたことが記され、天彦の図像が描かれる。図像は多様で、人魚や猿のような形状をもつものもある。一方、予言の内容やその対策は類型的なものであり、天彦以外の予言する存在を描いたものも多い」とある。また、くだんの項目には、「半牛半人の予言する怪異。生後すぐに予言して死ぬ。その予言は必ず的中するとされ、証文等の結びの文句とされる「よって件の如し」という表現は、件の予言が確かなためであるという俗説とともに語られる」とあり、岡山県での事例が紹介されている。
④『日本幻獣図説』には、予言獣として、件(くだん)、アマビコが紹介されている。そのほか、アマビコに関連して、アマビエ、山童、アリエ、人魚、亀女、大神社姫の名前が挙がっている。アマビエはp71、山童はp80、アリエはp81、人魚はp83、亀女はp84、大神社姫はp42に説明がある。また、件に関連して、②で挙げられたクダヘ(クダベ)という人面獣についての記録がp69に記載されている。
⑤『日本妖怪学大全』では、アマビコを中心に予言する幻獣についてまとめられている。「予言する幻獣はアマビコ以外にも、件、人魚、アリエ、山童、豊年亀、亀女などが存在する」、「ほかにも件との関係が深いと思われるクダベなどが挙げられよう」と書かれている。
⑥『岡山の妖怪事典 妖怪編』によると、「クダンは中国山地が発生地の一つとされていて、岡山県下でも県北を中心にその伝承が残されている」とあり、岡山県におけるクダンの伝承が掲載されている。
⑦国際日本文化研究センターウェブサイトの「怪異・妖怪伝承データベース」の全文検索で「予言」と検索したところ、59件ヒットした。しかし、妖怪に限らず、不思議な能力をもった動物なども含まれる。
⑧国立国会図書館サーチで検索したところ、常光徹著の『予言する妖怪』という資料が見つかったが、当館未所蔵のため確認できなかった。
回答館・回答団体
岡山県立図書館
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