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重陽の節句の由来と菊を用いる理由

質問内容

重陽の節句の由来と重陽の節句に菊を使う理由についてわかりやすく載っている児童書が見たい。

回答内容

①には、「重陽の節句」について、「災いをはらう菊の節句で収穫を祝う秋祭りでもあります」とあり、さらに「重陽の節句は五節句のうちのひとつで、菊の節句ともいいます。古代中国では、「九」が重なるとてもめでたい日といわれ、節句の中でも重要なものでした。その後、日本に伝わり、奈良時代には貴族の間で、菊の花を酒に浮かべて飲んだり、詩歌をよんで楽しんだりしていたようです。その後、平安時代になり、宮中の儀式に取り入れられるようになりました。菊は、寿命を延ばすと考えられていたため、重陽の節句の前夜に菊の花のつぼみに綿をかぶせ、菊の露と香りを移した綿で顔や体をふいて清めると、いつまでも若くいられて長生きができるといわれています。」と記載がある。

②には、重陽の節句の由来について、「古代中国では、もっとも大きいひとけたの奇数、9がかさなる9月9日をとてもめでたい日とし、キクの花をうかべた菊酒をくみかわして長生きをねがう、重陽の節句としていわいました。日本には奈良時代につたわり、いまはキクをかざり長生きをねがう行事になっています。」とあり、キクの花をかざる理由については、「重陽の節句にキクをかざるのは、むかしキクが仙人(年をとらず死なない、特別な力をもった人)のすむ山にさく花とされ、長生きの力があるといわれていたからです。いまは菊酒を飲んだり花をそのままかざるだけでなく、花を人形にあしらった菊人形をつくるなど、さまざまな風習がひろまっています。」と記載がある。

③には、「昔は重陽の節句は五節句の中で最も重要な節句とされていました。それは、偶数が陰、奇数が陽と考え、奇数の一番大きな数である9の重なったこの日が最もめでたいと考えられ、重陽として繁栄を願う日になりました。ちょうどその頃は菊の咲く季節であり、平安時代から高貴の花とされる菊を愛でて、「菊の節句」ともいわれています。しかし明治時代に新暦になってからは、季節と合わなくなったため、すたれていきました。」と記載がある。

④には、「重陽は旧暦9月9日のことをいいます。陽数(奇数)の9を重ねためでたい日で、菊節句ともいい五節句の一つに数えられています。中国から伝わった行事で、邪気をはらい、寒い季節に備えて無病息災や防寒を願う意味がありました。日本では平安時代初期から末期にかけて宮廷で重陽の儀式が行われ、盃に菊の花を浮かべた菊酒を飲み、詩を作るなどの宴が行われていました。」と記載がある。菊酒については、「その香りと、花の気品の高さによって邪気をはらい、飲むと寿命が延びると考えられている。」とあり、きせ綿については、「8日の夜に綿を菊花にかぶせ、9日の朝にその露にぬれて菊の香りがする綿で肌をぬぐうと、老化を防げるという。」との記載がある。

⑤には、「重陽の節句は長寿を祈願する行事です。菊をもちいて行事をするので別名「菊の節句」といい、五節句のひとつです。」とあり、菊の節句の楽しみ方として、「菊は仙人の住む場所に咲き、長寿をもたらすおめでたい花とされ、菊のおかげで少年のまま700年も生きたという「菊慈童(きくじどう)」伝説もあります。旧暦の9月は菊が盛りのころなので、豊かな香りが邪気を払うといわれています。」との記載がある。また、「被せ綿」について、「前夜から菊の花に綿をかぶせておき、翌朝、菊の露や香りを吸った綿で身体を清めると、長生きできるとされました。」とあり、「菊湯」について、「湯船に菊の花びらを散らしてお風呂に菊の花をうかべます。」とあり、「菊枕」について、「菊を枕につめて眠ります。菊の香りで邪気を払うので、菊のポプリを枕元においてもよいですね。」とある。また、「菊酒」について、「お酒に菊の花びらを浮かべ長寿を願います。菊をつけ込んで作ると本格的です。」と記載がある。

⑥には、重陽の節句について、「「菊の節供」ともいわれます。健康や長寿をねがって菊をひたしたお酒をのんだり、菊をつかった料理や、栗ごはんなどの秋の食材をつかった料理を食べたりしておいわいしました。また、「菊合わせ」といって、自分でそだてた菊をもちよって、うつくしさをきそうもよおしなどもおこなわれました。」と記載がある。

なお、⑦~⑧にも、重陽の節句の由来と、節句に菊を使う由来について、簡単な記載がある。

回答館・回答団体

岡山県立図書館

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重陽の節句の由来と菊を用いる理由

(チョウヨウノセックノユライトキクオモチイルリユウ)

回答した図書館または団体
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岡山県立図書館

(オカヤマケンリツトショカン)

情報源(回答)
情報源(回答)

①『伝統行事がわかる図鑑 3』 ポプラ社,2011,39p. 参照はp.8-9.
②坂本廣子『坂本廣子のつくろう!たべよう!行事食 3』 少年写真新聞社,2013,47p. 参照はp.14.
③『12ヶ月の親子で楽しむ和の行事』 日東書院,2018,127p. 参照はp.87.
④『まるごとわかる365日ものしり百科』 日本図書センター,2005,37p. 参照はp.13.
⑤三浦康子『子どもに伝えたい春夏秋冬 和の行事を楽しむ絵本』 永岡書店,2014,143p. 参照はp.100-101.
⑥長久保浩子『はじめての行事えほん』 パイインターナショナル,2018,80p. 参照はp.59.
⑦齋藤孝『齋藤孝の覚えておきたい日本の行事』 金の星社,2018,79p. 参照はp.54-55.
⑧須藤海芳子,大柳珠美『からだとこころをつくるはじめてのたべものずかん』 創成社,2013,234p. 参照はp.65.

NDC分類
NDC分類

204:論文集、評論集、講演集

386:年中行事、祭礼

498:衛生学、公衆衛生、予防医学

596:食品、料理

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